東京のどこに住む? 用途地域と街の雰囲気

用途地域の例 青山付近 都市整備局より生活
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はじめに

今回は「用途地域」についてです。

第一種低層住居専用地域」とか「第二種中高層住居専用地域」とか「商業地域」とかいったヤツです。なんとなく聞いたことだけはありました。

自分の住みたい地域(あるいはその周辺が)がどれに該当するので、その街も雰囲気を推測することも可能なのではないかと思います。

これまでも、東京における

水害・洪水(ゲリラ豪雨)・津波(標高)
地震(地盤やその後の火災の延焼)・液状化
犯罪発生率

等を自分なりに調べて記載してきましたが、
今回は、「用途地域」という観点で投稿してみます。

用途地域」は、全く土地勘のないよそ者にとっては、その土地の住環境をある程度推定できる重要な要素だと思います。

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都市計画と都市計画法

都市計画法」という法律によって定められた21ある「地域地区」のうちの一つが「用途地域」とされています。

「都市計画」の概要は、国土交通省のHP等に 分かり易いページがありました。

が参考になります。
が、ここではその大きな枠の事はいったんおいておき、本題の用途地域についてみていきます。

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用途地域とは

上記PDFより抜粋します。

「用途地域は、住居、商業、工業など市街地の大枠としての土地利用を定める もので、12種類あります。用途地域が指定されると、それぞれの目的に応じて、 建てられる建物の種類が決められます。表紙の都市計画図のように、地域の目 指すべき土地利用の方向を考えて、いわば色塗りが行われるわけです。」

「都市における住居、商業、工業といった土地利用は、似たようなものが集まっていると、それぞれにあった環境が守られ、効率的な活動を行うことができます。しかし、種類の異なる土地利用が混じっていると、互いの生活環境や業務の利便が悪くなります。
そこで、都市計画では都市を住宅地、商業地、工業地などいくつかの種類に区分し、これを「用途地域」として定めています。」

つまり、「用途地域」によって、土地の使い道を制限しているということです。

国交省HPから 用途地域12種類の概略 イラスト

おおまかには三種類 住居系、商業系、工業系 の土地に区分されますが、
さらに
住居; 7つ
商業; 2つ
工業; 3つ

の合計12の種類に分かれています。

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住居系7分類について

まずは、よくわかる一覧表です。(参照; みらいに向けたまちづくりのために より )

 

用途地域別 建てられる建物や施設など一覧表 住居抜粋

;表がきれいに階段状になっているのが分かります。

低層住居専用;  ①第一種 ②第二種
中高層住居専用; ③第一種 ④第二種
住居地域;    ⑤第一種 ⑥第二種
準住居地域;   ⑦

(このように、準住居地域以外は、さらに第一種・第二種に細分化されるため合計7種となる。)

より低層かつ静かな環境の①の「第一種低層住居専用地域」から順番に、番号順に、より商業地域よりとなり、徐々に規模の大きい店舗やホテル・映画館・大学・病院等が建築可能となり最終的には、住居系と名乗りつつも、カラオケボックスやパチンコ店まで可能というところまであります。

詳細は上記の表と図を参照にするとイメージしやすいように思います。

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東京における「用途地域」の調べ方

東京都の場合、東京都 都市整備局のHP で調べることが可能です。

参照;都市整備局HP>都市計画情報 トップ

東京都都市整備局HP 都市計画情報等インターネット提供サービス

目的の地域を地図上でクリックするか住所を入力すると以下のような画面に遷移します。

用途地域の例 青山付近 都市整備局より

上記の図のように、かなりカラフルな色分けされたモザイク状の地図が表示されます。

各色毎に、「用途地域」12種が割り当てられています。

さらに地図上の任意の点をクリックすると(青い矢印)画面左側のカラムの様に、用途種別以外にも、建蔽率・容積率高さの最高制限の情報もわかるようになっています。

これで、自分の興味・関心のある物件・土地の「用途地域」を知ることが出来ます。

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都市計画情報を見ながら感じたこと(私見)

  • いわゆる「閑静な住宅街」と呼ばれる地域はもっぱら「第一種住宅地専用地域」に合致すると考えられる。
    東京の都心(山手線内)には、そのようなエリアは非常に限られていて、自分がざっと見たところは、
    広尾、恵比寿、大崎、五反田、本駒込(六義園周辺)、白山、西片、小日向、目白台、関口のごく一部に限られる。
    やはり、山手線内は土地が限られており、上方へ向かって立体的に利用しなければならない地域ということなのだろう。
  • 一方で、山手線外に目をやれば、品川区、目黒区、世田谷区、中野区、杉並区、豊島区といった、山手線南西から北東方向には、多くの第一種住宅専用地域が見られる。が、山手線北側~東側の荒川沿いの地域には、第一種住宅専用地域は非常に少なく、工業系の用途地域が多くなるようだ。いわゆる町工場と生活が同居したような「下町の雰囲気」はこれも一因なのかもしれない。
  • 第一種中高層住居専用地域や、第2種中高層住居専用地域は、都心やその辺縁の幹線道路沿いに多い印象である。これも考えれば当たり前ではあるが、麻布、白金、青山、赤坂といった地域の「表通りから一本入ったエリア」はこれが多い。
  • これも当然だが、幹線道路沿いや主要駅周辺は「商業地域」や「近隣商業地域」という範疇に入っていることが多い。
  • 意外だったのは、白金の一部が「準工業地域」だったりする。一部には、小規模な工場が有ったりするらしい。
  • 高度の情報(高さ制限;最高制限)が参照できることは面白い。最高制限に差がある地域の境界部にある物件ならば、例えば「眺望」や「日当たり」の面で有利かもしれない。逆に自分の物件の周りの最高制限が高い場合、後になって高いビル・マンションが出来て眺望がなくなったり、日陰になってしまうという可能性があるかも。(・・・といっても都市計画自体、一定年数で見直されるため絶対ではないだろうが。)
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まとめ

これまで、地方都市のいわゆる「閑静な住宅街」である一軒家に住んでいましたが、東京では、やはり今のところ「マンション暮らし」をと考えています。

低層住宅専用地域には、大きな店舗や工場が入り込むことはないですが、マンションが建つであろう中高層住居専用地域や商業地域には当然、人が集まる施設も近隣にある可能性が増えます。

ただし、これはどちらがいいのかという問題ではないかもしれません。子供が小さいころは静かな環境がいいという人もいるだろうし、若い夫婦なら若干人通りが多くても利便性の高い立地がいいということもあるだろうと思います。

物件の場所と、用途地域を重ねながらいろいろ考えるのも楽しいものです。

最終的には、自分でその地域を歩いかないと雰囲気は「体感」することはできないでしょうが、用途地域の図を眺めておくことは「見落とし」を少なくする良い方法ではないかと思いました。

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