はじめに
とある休日、乃木神社方面から、青山霊園を抜けて渋谷方向へと歩いていると、左手に和風の高い壁に大きな建物が見えてきました。
「根津美術館」と書いてありました。全く予備知識もなかったのですが、付近の外国人観光客も吸い込まれていくのを見て、決心。ふらりと観覧してゆくことにしました。
上;美術館北東の角の入り口入ってすぐ左です。石船と灯篭。
上;北東の出入り口から、正面受付へつながる回廊。和モダンな感じです。
↑;駐車場と正面エントランス。
追記; 再訪して「燕子花図」見てきました。
よろしければ、記事はこちら。
根津美術館とは
東京都南青山に位置する、主に日本・東洋の古美術が収蔵された美術館です。
そもそも、「根津?」からわからない無知・無教養な自分です。
地名ではなく人名でした。
根津家は、東武鉄道や関西の南海鉄道を興した実業家の一族とのこと。
初代 根津嘉一郎 がコレクションした美術品を中心にその他寄贈の品なども収蔵・展示されています。
参照;根津美術館公式サイト
最寄り駅は、地下鉄 表参道駅 です。A5出口が最短です。
よくよく見てみると、以前、初心者向けの座禅会でお世話になった長谷寺の敷地と接していました。お隣さん同士です。
表参道、青山霊園、青山学院大学などに囲まれた超一等地です。
多数の国宝・重要文化財が収蔵されていますが、超有名なのは
- 燕子花図(かきつばたず) 尾形光琳(おがたこうりん)筆 国宝
でしょうか。
- 開館時間 午前10時から午後5時(入館は午後4時30分まで)
- 休館日 毎週月曜日(祝日の場合は翌日)
根津美術館(の主にお庭)を鑑賞
自分が立ち寄った際には、ちょうど 企画展が開催されていました。
- はじめての古美術鑑賞 -紙の装飾- 2017年5月25日(木)〜7月2日(日)
- 入場料 一般1100円、学生[高校生以上]800円
以下、公式サイトからの引用
日本の古美術はなんとなく敷居が高いという声に応えて企画した「はじめての古美術鑑賞」シリーズ。2回目の今年は、「読めない」という理由から敬遠されがちな書の作品にアプローチする一つの方法として、書を書くための紙、すなわち料紙(りょうし)の装飾に注目しました。
華麗な色や金銀あるいは雲母(うんも)によるさまざまな装飾技法を、当館コレクションの作品を中心にやさしく解説するとともに、絵画に取り込まれた例もご覧いただきます。
この展覧会が、書の作品に親しく接する機会となり、さらにはより深い古美術鑑賞への足がかりとなれば幸いです。
フムフム、確かに学のない自分には漢字の「文字列」だけでは、非常にとっつきにくい・・・。そこを、「紙の装飾」という観点で切り取ってる展示会。もしかして自分にも少しくらい理解できるかもと期待。
館内入口すぐの受付で料金をお支払いして、まずは、ロビー内の主に仏像(石像)を鑑賞。1000年以上前のものも多数で、ものすごい価値があるのだろうなあ想像はできるのですが。
↑;入館券です。コレクションの一つ、双羊尊(そうようそん)という、中国の青銅製のお酒の器をモチーフにしています。
室内は撮影禁止でしたので、画像はありませんが、巻物であったり、「切れ(きれ)」と呼ばれる書画などの、古人の筆跡の断片がガラス越しに展示されていました。
金・銀・雲母といった素材で修飾されたそれらはなかなか趣があるのですが、やはり高尚・難解でした・・・。修行が足りないみたいです。
さて、せっかく来たので庭園に出てみたのですが、実はこの庭園が広くて緑豊な場所でしたので、写真撮りまくってきました。
根津美術館の庭園
庭園には、4つの茶室、池があります。 そこかしこに時代・歴史を感じさせる石像・仏像がたくさんありました。
また、緑も多く都会の中での静けさを味わえます。
なお、かなり広いので、ゆっくり散策すれば一時間以上かかります。
↑;庭園から振り返って美術館を眺めます。
↑;八角灯篭。これはレプリカだそうですが、本物は奈良の東大寺にあるもの。
↑;新緑も和の建築(茶室)に似合いますが、紅葉の美しさも約束されている風景です。茶室は実際にお茶会に使用するために予約を受け付けているそうです。
↑;四つある茶室の内の一つ 弘仁亭・無事庵。手前の池には、燕子花(カキツバタ)です。カキツバタのシーズンは4月だったようです。
↑;ところどころに、歴史・時間を感じさせる(風化の具合が)灯篭や石像がさりげなく、しかし、存在感をもってたたずんでいます。
↑;森の中の小径の風情です。
↑;池には小さな船も。中に入れるのか(野暮!)は不明ですが、お茶会のための船ではないかと想像します。
↑;侍童像。16-17世紀の朝鮮からと。
↑;とにかく、いたるところに溶け込むように石像・石仏が鎮座しています。
↑;石でできた塔も。
↑;苔むして、まわりの自然と一体化しつつあります。
↑;小さな流れ・滝も造られています。
↑;知り合いにいそうな(失礼)
↑;またも石仏。
↑;こちらにも。
↑;茶室へ登る小径です。
↑;これをは「鐘」の上部です。龍でしょうか。・・・一見無造作に、ランダムに配置されたこれらの石像等を見ていて感じた印象・・・純日本風というより「東南アジア」のテイストを感じました。
↑;茶室は大小4つも。それだけ広大な敷地でした。
上空が開けた明るい庭園というよりは、公式サイトにもあったように「深山幽谷」という言葉の方がやはり似合う庭園だと思います。
庭園内のカフェ Nezu cafeで、昼食とコーヒーを頂き、ミュージアムショップを物色して帰路につきました。
まとめ
南青山の 根津美術館 に行ってきました。
企画展は、高尚すぎて自分にはその良さを他の人に伝える能力がありません。が、静かで薄暗い展示室で、じっと巻物や切れ等を見ていると心が落ち着く感覚もありました。
一方、庭園は直感的にいいなと感じました。整いすぎていないというか、計算された乱雑さ(カオス)があるようにおもいました。日本の物だけでない東洋の要素がその原因でしょうか。
とても広い敷地を持つ根津美術館ですが、またまた大都会のど真ん中に位置していることに驚きです。
前回記事(有栖川宮記念公園)の麻布 もそうですが、やはり 青山・赤坂 は抜群に洗練された都会の街ですね。
例年、庭園のカキツバタが見ごろの頃に、所蔵の国宝 光琳作 燕子花図 も公開されるそうです。(4月中旬から約一か月) その時期と紅葉の時期にぜひとも、もう一度来ます。
追記;再訪 国宝燕子花図 を鑑賞
約1年ぶり、今回は何とか例年の4月中旬~5月中旬の 「燕子花図」の展示に間に合いました。 記事はこちらです。