はじめに
2017年後半から、スマートスピーカー(AIスピーカー)が各社から発売されて話題になっていました。
少し興味がありました。
で、色々あって結局スマートスピーカーではなくスマートリモコンを買うというところにとりあえずは落ち着きました。
少し使ってみて感じたことや、分かったことは
- IoTとか、スマートホームとかが一般的になるまでの過渡期的な製品だなという印象(今後、本格的に家電等がWifiに繋がるまでの)
- 赤外線リモコンで操作できる機器ならば、
スマホ⇒ 4G回線 ⇒ 自宅Wifiルーター ⇒ eRemote本体 ⇒ 赤外線 ⇒ 各種家電等 といった経路で操作が可能に。 - 電波(WifiやBluetooth)と異なり赤外線ゆえの弱点がある。(複数の機器を確実に動作させるための設置場所が結構難しい。遮蔽物があるとアウト)
- 各家電からのフィードバックはないので、本当に各家電が動作しているのかは外出先からはモニターしがたい。(本体に温度計があるので、それをモニターすれば、なんとなくエアコンが作動しているかは判断できる。)
- 今後は、AIスピーカーに赤外線リモコン機能が付加されるのではないかと想像。
こうやって書くと、短所が多い様に聞こえるかもしれませんが、使ってみると楽しいのは間違いありません。
スマートリモコンを知るきっかけ
実はスマートリモコンというカテゴリーの製品のことは全く知りませんでした。
各種スマートスピーカー(AIスピーカー)が発売されるようになって、なんとなく
「おおっ、声出せば、家電が動くのか。すごいなこれ。」
と考えて各社のスマートスピーカーを調べてみたのですが、それはどうやら半分正解で半分ハズレだったと理解しました。
つまり、作動する家電側がネットワークに対応していなければスマートスピーカー(AIスピーカー)だけでは、現存する古い家電のほとんどはコントロールできないということ。
各種家電のネットワーク対応機種はボチボチ販売されているものの、オプション機器が必要だったり、ハイエンド機種でものすごく高価だったりであり、全てを買い替えるのは非現実的・・・。
「そうか、そりゃそうだな。スマートスピーカーの購入は見送りかな。」
と思っていたところ、何やら「スマートリモコン」なる機器の記事を目にすることに。
そこで初めてスマートリモコンなるジャンルを知りました。
検討したスマートリモコン
今回購入したLink JapanのeRemote RJ-3以外にも、いくつかよく似たコンセプトの製品があります。
ラトックシステム スマート家電コントローラ RS-WFIREX3
PCの周辺機器などを扱う日本の会社 ラトックシステム製のスマートリモコンです。(中国の小米が作っているみたいです。)
現状でアマゾンのスマートスピーカーALEXAに対応しており、今後Google homeにも対応予定とか。
直径;63.5mm、高さ:24mm、重量:32gとかなり小型です。
iOS, Androidに対応。
リモコンが現状4台までしか登録できないという点が少し気になりますが、赤外線の到達範囲が20mと、eRemoteよりも強力な模様です。 前述したようにちょっとした角度で以外と赤外線が受信できないことも多いので、広めの部屋での使用を考慮するなら良いかもしれません。
また、温度だけでなく「湿度」と「照度」センサーが付いている点は、各家電からのフィードバックがない点をカバーできるので長所と思われます。
Nature, Inc NATURE REMO
日本人創業のベンチャーNaure, Incの NATURE REMOです。
この製品が実は一番欲しいなと思ったのですが、残念ながら品薄状態が続いているようです。
デザインも美しい。
幅74mm 厚さ20mm、質量65g。
iOS, Androidに対応しており給電はUSBというところは他社製とほぼ同じ仕様。
スマホの位置情報(GPS)と連動してエアコンの制御ができる辺りは、とても「未来的」。勿論、エアコン以外でも、照明、テレビ等赤外線リモコンで動作する機器の操作が可能です。
Google homeとAmazon ALEXAに対応しているとのこと。
サイトからは、搭載センサー(温度、湿度、照度)搭載の有無については分かりませんでした。
Link Japan eRemote mini
今回購入したeRemote RJ-3よりも小型の円筒状の製品。温度センサーは省かれていますが、他の機能はほぼRJ-3と同等。
直径53mm、高さ65mm、質量75g。
iOSとAndroidスマホに対応。USB給電で作動します。USBケーブルは付属しますがACアダプターはないので、別途必要です。
値段もお手軽だったので、こちらでもいいかなと思ったのですが、品切れにて断念。
別売りのeSensorを用いれば、かなりのフィードバックを得ることが出来ます。(温度、湿度、照度だけでなく、音とVOCまでもチェック可能)
株式会社 グラモ iRemocon WiFi IRM-03WLA
この製品もセンサーは充実していて、設置場所の温度・湿度・照度データが取得できます。
また、スマホのGPSから得られた位置情報と連動しての動作も可能であり高機能。
ただし、結構良い値段します。かつ、外出先からの操作に関しては課金される仕組みの様です。
SOCINNO S-Remo-R
SOCINNO社は、京都の会社。
スマートリモコン S-Remoを販売していたのですが終了していました。
が、次期製品 S-Remo-R のリリースが決定しているようです。
2018年の早いうちには発売されるようです。
温度、湿度、照度のセンサーも装備していて予定価格が6800円とかなり期待できる製品ではないかと思います。
新しい機種;発売されたようです。
Link Japan eRemote RJ-3 を選んだのは
最終的にLink Japan のeRemoteを選びました。
Link Japanには、eSensorや、eCamera, ePlugなどeRemoteと連携可能な製品も数多くありその気になればかなり拡張性がありそうだとも感じました。スマートホームっぽいことを後付けで構築できるのは、楽しい作業かなと思います。
- eSensor;温度・湿度・照度・音・VOC濃度センサーを搭載し「暗くなれば照明オン」とか「寒いからエアコンオン」等の連携が可能になる。
- eCamera;人感センサーも搭載したカメラ。 室内の様子を外出先からチェックできます。モーションセンサーで防犯対策をしたり、ペットを飼っている場合や、遠方に住むお年寄りの様子等の状態確認にも使えそうです。
- ePlug;eRemote同様にスマホから遠隔操作が可能なACプラグ(コンセント)。リモコン操作の利かないスタンドライトや、簡易加湿器等の電源On-Offを遠隔操作あるいはタイマーでの操作が可能です。
こういった拡張性があるところもeRemoteを選んだ一つの要素です。
Link Japan eRemote RJ-3のセットアップと実際
某家電量販店で購入。(1万円ちょっと)
まずは、本体のセットアップに取り掛かります。
↑;扁平な三角形の本体とUSBケーブル、ACアダプター。ユーザーズガイドは簡易なものですが、最低限のセットアップは可能。
↑;大きさは11cm×11cm×3.5cm。表面は艶ありのブラック色。
↑;Wifiとの接続関連の青いLEDインジケーターと、赤外線送受信に関連する赤いLEDインジケータ。 普段は点灯していません。
↑;右のMicro USB端子から給電。一番左にはリセットボタンがあり、ピン等を差し込んで使います。真ん中の点は「温度センサー」。
本体のセットアップは全く戸惑うところはありませんでした。USBケーブル、ACアダプタにつなげば終わりです。(ただし、後述しますが、コントロールするすべての機器に赤外線が届く場所を決定するのは難しかったです。)
引き続いて、スマホにアプリをインストールしていきます。
本体付属のユーザーズガイドには「e-control」というアプリが記載されていましたが、公式サイトでは「e-home」という新しいアプリをインストールするように指示されていたのでこちらをインストール。
AndroidならGoogle playから、iOSならApp Storeから無料でダウンロード可能です。
特に問題なくインストールは出来ました。
↑;ちなみに評価はボロボロです。 特に以前のアプリ「e-control」からのり替えたユーザーさんのコメントは辛辣。 見ていると不安になりますが・・・。
スマホとeRemoteを接続します。
アプリを起動しeRemote本体と連携していきます。
↑;メールアドレスか、電話番号を登録するとメールかSMSで四ケタの認証コードが送られてきました。
↑;(左)送信されてきた認証コードと任意のパスワードを入力。 無事終了したら右のようなアプリのホーム画面が表示されます。
↑;(左)Link Japanの販売する各種関連デバイスの中から、「eRemote」を選択。 (右)指示通り電源に接続し、青色LEDの点滅状態を確認して「次」をタップして進みます。
↑;(左)自宅のWifiルーターのSSIDを選択し、その下にルーターのパスワード(Key)を入力。 (右)うまくいけばデバイスの追加が完了。本体を設置する場所を選択します。 他社製もほとんどがそうですが、2.4GHz帯を使用するので5GHz帯では使用できません。
これで、eRemote本体をスマホでコントロールできるようになりました。
eRemoteにリモコンを登録します。
引き続き、操作したい家電のリモコンをeRemoteに学習させていきました。
↑;(左)ホーム画面にeRemoteが登録されたので、これをタップすると(右)の家電の追加画面になります。
まずは、簡単そうな「照明」から取り掛かってみました。
↑;左は今回学習させるリモコン。 基本的にはスマホに表示される通りにやっていけば簡単です。
1.本体に向けてリモコンのボタンを押す。
2.学習したボタンで本当に家電が操作できるか確認する。
これを、全ボタン順番に繰り返していくことになります。若干面倒ですが、つまずく要素はありません。
デフォルトで設定するのは
- On
- Off
- 明
- 暗
だけですが、その他自分で名前を付けてボタンを設定することが出来ます。
↑;自宅の照明のリモコンでは例えば「全灯」とか「暖かい色」とか「常夜灯」というボタンは自分で命名して学習させていきます。勿論めんどくさければ、最低限On-Offだけ登録してもいいかもしれません。
↑;(左)ホーム画面に照明2台を設定しました。この電球アイコン以外適切なアイコンがないのでこのまま。同じ「照明」という名前では混乱するので、それぞれ区別するために名前を変更できます。(右)照明をそれぞれ「ダイニング照明」「リビング照明」と命名して区別しました。
↑;続いて、テレビリモコンの登録。 一応、世界のメジャーなメーカーのリモコンのプリセットがあり、大まかな機能のボタンは学習させることなく登録が可能。 しかし、プリセットに無い各社オリジナルの機能のボタン等は照明の時と同様に自分で命名して学習させることが必要。(例えば「番組表」とか「データ連動d」ボタン等は自分で追加)
↑;エアコンのリモコンに取り掛かりました。自動マッチングを選んだのですが、残念ながらデータなしとのこと。(天井カセットタイプだったからなのか??。)仕方なくその下の「メーカー選択」から「DAIKIN」を選択して次のマッチングテストへ進みました。
↑;いくつかのリモコンパターンがあるようで、順番に反応があるまでテストしていって反応が出たところで終了。自分の場合25あるパターンの内の8個目でようやくアタリを引きました。
以上でリビングの照明×2、エアコン、テレビのすべての設定が終了。
↑;左は照明の操作画面、真ん中はTVの操作画面。右がエアコンの操作画面。エアコン操作画面の右上には本体で測定された室内温度が表示されます。
実際にスマホを操作するとテレビや照明、エアコンが動くというのは少し不思議な感覚です。
eRemote本体の設置場所決定に苦戦・・・
しかし、ここで意外なところで苦戦しました。
登録した4つの家電すべてのに赤外線を送信可能なeRemote本体の設置場所を探す作業に時間を取られました。
eRemoteは仕様上は「上方10m、周囲360°(ということはほぼ半球状に送信していると理解しました。)の赤外線送信エリアがある」とのことなのですが・・・。
↑;肉眼では見えませんが、デジカメで撮影すると赤外線送信時には本体内部に発光する部位が7か所分かります。正六角形の頂点に外向きに6つ、正六角形の中心に上向きに一つの赤外線送信部がありそうでした。
同じ場所であっても、元の家電付属リモコンでは反応があるのにeRemoteからでは反応しないこともあり、自分の印象ですが「赤外線出力が、付属リモコンより弱い」可能性もあるのかもしれません。
まあ、本体が小型なので設置場所にはあまり困らなかったので、なんとかすべてが受信できる場所を探すことが出来ました。
タイマー機能
一定の時間で照明やエアコンをOn-Offすることで、防犯目的につかったりも可能だと思います。 家電の付属リモコンでもタイマー設定は出来ますが、曜日指定や繰り返しの指定ができるのはスマホアプリならではだと思います。
↑;この例では平日(月~金)の夕方に照明がOnに。また、同じく平日朝目覚まし代わりにテレビをつけるといったことを想定。
シーン機能(マクロ設定)
簡単に言うと、「各種操作をまとめて一括で出来る」機能です。
例えば、「リビングの家電全部消し」とか、「照明を時間差で点灯させる」といった動作を「1タップ」で操作可能になったりします。
↑;シーン設定の画面。この例では
「エアコンを25℃でオートで起動」し、その1.5秒後に
「リビングの照明を点灯」し、さらにその1.5秒後に
「ダイニングの照明を点灯」
と設定した例です。この「時間差」も秒・分単位で設定可能です。
まとめ
Link Japanのスマートリモコン eRemote を購入、設置してみました。
一番最初にもお伝えしたこととも重複しますが、自分が感じたことを列挙してみます。
- 赤外線を使ったスマートリモコン自体は、今後本格的にIoTが一般化するまでのつなぎの技術か。各家電にWifiなりセンサーなりが装備されるようになるまでは、スマートホームを疑似体験できる面白い機器。
- スマートスピーカー(AIスピーカー)との相性は良さそう。
- リモコンの学習(特にテレビやエアコンのプリセット)は若干分かりにくい。
- もしかすると赤外線の出力は少し弱いかも。
- Link Japanの他の製品と組み合わせるともっと楽しそう。
- 現在のアプリではGPS連動していないので、「家に近づいたらエアコン・照明スイッチオン!」みたいな操作はできない。
さて、eSensorや、e-Plugをうまく組み合わせるといろいろな用途が思い浮かびます。
例えば室内でペットを飼っている家庭ではウェブカメラとともにいろんな使い道がありそうです。室温の調節は、犬猫だけでなく室内の観葉植物の管理にも使えそうです。
また、年老いた親と同居しているような人の場合も、熱中症の予防や健在確認などといった、介護(見守り)方面での用途も考えられそうです。
自分の場合の実際の用途は当面はエアコンのコントロールが中心になりそうです。帰宅前にエアコンをオンにしたり、毎朝起床時にリビングのエアコンを曜日毎に時間を変えてタイマーで作動させたりしています。
テレビや照明は防犯目的以外では屋外からコントロールすることはあまりなさそうかなと思います。