はじめに
江東区の 清澄庭園 に行ってきました。
和風の庭園ですが、完成したのは比較的最近の明治時代。
江戸時代の庭園の形式を守りつつも、異なる趣もあります。
真夏の炎天下は若干きついですが、春・秋の気候の良い時期の散策は最高だと思います。
清澄庭園について
もともとは江戸時代、紀伊国屋文左衛門(江戸時代の豪商)の屋敷があったそうです。
下総国関宿の藩主・久世大和守の時代を経て、明治には、岩崎弥太郎(三菱財閥創始者)が、荒廃していた敷地を買い取ったそうです。
造園し明治13年に「深川親睦園」として完成。弥太郎の死後も造園は続いて現在の姿になっているとのこと。
徳川将軍家や皇室とのゆかりは薄く、いわゆる「時の栄華を極めた人たち」が受け継いだ庭園ということでしょうか。
東京都指定の「名勝」です。
↑;実は東京駅からは直線なら2-3Kmの距離。
最寄り駅は、地下鉄(半蔵門線・大江戸線)の「清澄白河駅」・・・徒歩3分
- 開園時間;午前9時~午後5時 (入園は午後4時30分まで)
- 休園日;年末・年始 (12月29日~翌年1月1日まで)
- 入園料; 一般 150円 65歳以上 70円(小学生以下及び都内在住・在学の中学生は無料)
清澄庭園を散策
隅田川より東の公園に出かけたのは今回が初。
↑;隅田川。撮影した場所は、庭園からは少し離れた橋の上からです。遊覧船が両方向から航行してきています。隅田川を上流の向かえば、浅草に至ります。一度乗ってみたい遊覧船。
↑;清澄白河駅近くの、塗装・リフォーム店の看板。うん・・・下町っぽいと言うべきか。
↑;庭園の北西の門に到着です。
↑;門を抜けると広場があります。左は大正記念館。奥が入場料金を支払う窓口。
↑;真ん中に池。(というより、池の周りに陸地。)池が広い。庭園の西側には、無料で開放されている公園があります。
↑;受付を過ぎて大正記念館の前あたりの歩道。 こんな感じで、何気なく石(岩)が配置されていて・・。
↑;ひとつづつの石に札が付いています。 日本各地から集めた 名石 が庭園中に沢山配置されていました。 岩崎家が自社(海運会社)を使って集めさせたとか。
↑;石の例。
↑;池(泉水)とその奥の「涼亭」が見えてきました。こうなってくると「日本庭園」らしい感じがします。
池のほとりまで出ると、左右どちらにも進むことが出来ますが、反時計回り(右)に進みました。
↑;「大沢渡」と名付けられた飛び石の道です。池の中を進めます。これは結構気持ちいい。外国人観光客受けしそうな風景かなと思いました。
↑;大沢渡を渡っていきます。足の悪い方は、特に雨の後なんかは、若干危ないかも。
↑;大沢渡を渡り切ると、白い橋。その右手には流れ(渓流)が再現されており、「長瀞峡」と命名されています。秩父の長瀞峡にもぜひ行ってみたい・・・。
↑;石橋。こういった互い違いになった石橋のモチーフは他の庭園でもちらほら。
↑;この辺りは連続して橋を渡って進みます。
↑;清澄庭園の泉水には、島が複数ありますが、写真左の島は「松島」。 ここには渡れません。右よりには「多層塔」が立っています。
↑;庭園・泉水の西方面の高台にあるベンチ。ここは、元「傘亭」と称される場所。なぜ「傘」なのかというと・・・。
↑;傘というよりキノコのように見える日よけがあったそうです。残念ながら、東日本大震災の影響で損壊したため撤去されてしまったとか。
残念ですが、現在も木陰になっていたため少し休憩。
↑;「磯渡り」シリーズが続きます。(合計三か所)池のほとりの飛び石を歩きます。
↑;結構な距離が続きます。
↑;対岸に見えていた涼亭が、かなり近づいてきました。
↑;松尾芭蕉と直接の関係があるわけではないとのことですが、近隣に居を構えていたとか。「古池の句碑」
↑;ようやく 涼亭 に到着。この日は、予約のお客さんたちが使用していました。各種会合、お茶会 等に使えるようです。
↑;池の対岸に見える小高い丘は「富士山」。横長の植木は何だろうと思っていたら・・。
サツキ・ツツジの灌木類を数列横に配して、富士山にたなびく雲を表現したものだと言われています。
だそうです。なるほど、富士山にたなびく雲!
↑;その富士山には、枯山水で表現された流れと瀧があります。
↑;庭園の南のエリアには、広場があり、菖蒲池が配されているのですが、現在はシーズンオフで、菖蒲池は寂しい感じ。毎年6月中旬に「花菖蒲祭り」が開催されるようです。残念・・・。
↑;ちょうど「富士山」の裏に「石仏像」が祀られていました。
↑;池(泉水)の東側を歩くと、途中、中の島に架かる橋があります。泉水にある島で唯一渡って上陸できる島。
↑;中の島にもいくつかベンチがあります。木陰になっているので炎天下でもなんとかしのげました。中の島から西方面を眺めた写真。
↑;園内至る所で「亀」を見ることが出来ますが、やたらと集まってきた図。縁起が良いことだと信じてます。
↑;泉水に三つあるうちの最後の島「鶴島」。この写真にも鳥が写っていますが、種類は・・・分かりません。鶴ではなさそうですが。
↑;磯渡は3つありますが、最後の磯渡。みたび飛び石の道を進みます。良い眺めです。日本的です。
↑;庭園の池(泉水)の周囲を一周して、涼亭を正面にとらえる位置に戻ってきました。池に突き出た構造になっています。
まとめ
清澄庭園に行ってきました。
泉水(池)が中央にあり、周囲を回遊できて、見晴らしのよい築山があるという様式は、都内の他の江戸時代造園の庭園と似た形式です。
しかし、清澄庭園は、より「水辺」や「池」を意識させるつくりになっていると感じました。
その一番の原因は、なんといっても三か所にある飛び石で出来た「磯渡」です。
「池の上を渡っているぞ」という感じが良いですね。
両国とか、浅草とかとセットで清澄庭園を考えれば外国人観光客好みな「和」な雰囲気を味わえるスポットです。
6月の菖蒲、秋の紅葉がベストでしょうが、炎天下の真夏でも十分堪能できました。