はじめに
北海道をレンタカーで巡る旅に家族4名で出かけました。
その途中、旭川の旭山動物園に立ち寄りました。
- 「行動展示」のさきがけの動物園として有名。地方にあるのに日本で第三位の入園者数を誇る。
- 動物と人間の動線がうまく交わって、近くで動く動物達を見ることができます。
- 広い丘陵状の敷地内に「ペンギン館」「猛獣館」といったように動物単位での展示館が散在している構造です。(混合展示もあるようです。)
- それぞれの展示館は屋内から接近して観察できたり(透明なアクリル窓やアクリルトンネルが活躍)、
- 屋外から(たいていは見下ろす形で)観察できたりします。
- 「昔の動物園」=「檻に入った動物がほとんどの場合寝ている・・・。」という感じでしたが、それを覆す迫力ある展示です。
- 小さい子供は当然楽しめますが、中高生の我が家の子供たちも結構声を挙げながら楽しんでいました。
旭山動物園とは
旭山動物園は、北海道の旭川市の東の「旭山」に位置する動物園。
市営(公営)の動物園になります。
歴史は古く開園は1967年。当時はごく普通の動物園としてスタートしたとのこと。
当時は普通の「形態展示」という動物の姿かたちを見て楽しむことが中心。 自分たちも幼少期に行った記憶のある動物園といえば「形態展示」であり、檻の中に珍しい動物がじっとしているものでした。(それでも十分幼いころは楽しかったのですが。)
昭和50年代には、動物園と併設された遊園地がむしろ人気となり入場者数も昭和58年ごろをピークに減少していったそうです。
特に、1994年には、人畜共通の寄生虫であるエキノコックスが動物に発生し閉園する事態になったとか。1997年まではまさに動物園としては忘れられかけた存在になっていたそうです。
ところが、新しい市長の誕生を契機に動物園スタッフの熱意が形になり始めて、様々な展示館がオープンしていきました。 いずれも上述の「行動展示」のコンセプトの下建設・展示がされて再び入場者数も増加に転じて、全国区の動物園として知名度を得るまでになっています。
現在、入場者数では一位の東京上野動物園、二位の名古屋の東山動物園に次ぐ第三位という超有名な動物園です。
↑;動物園は、旭川市中心部から東に行った丘陵地帯に位置します。自分たちは旭川空港に空路で昼過ぎに到着しました。レンタカーで空港から20-30分くらいで到着しました。
公式サイトを確認すると、動物展示館、展示舎を中心とした施設は敷地内になんと25施設もあります。一例をあげると、
- ホッキョクグマ館
- レッサーパンダ舎
- オオカミの森
- チンパンジー館
等々・・・。
これらの施設が広大な緩やかな丘陵の敷地内に点在しています。
入園料を支払えば、これらの各施設で再び料金が発生することはなく丸ごと楽しめます。
高校生以上の大人は820円という非常にリーズナブルなお値段ですし、中学生以下の子供に至ってはなんとタダ(無料)です。
GW中で、駐車場の心配をしていましたが、付近には動物園公式の駐車場だけでなく、民間なのに無料という謎の駐車場もあり、余裕をもって駐車することができました。
園内各所には、軽食を販売する売店とそれを食べるためにくつろげるベンチ・テーブル等もあり子供連れ家族が安心して楽しめる場所です。
今回すべての展示を見ることはできませんでしたが、各展示館のよくある基本パターンは上述したように、
- できるだけ動物に接近してみることができる屋内からの観察;アクリル板やアクリルトンネルを通して近くに動物を感じることができます。
- 比較的高所の屋外から動物を俯瞰で観察;距離感は少し遠くなってしまいますが、ダイナミックな動きや群れの様子を見ることができます。
といった感じかなあと思います。いずれにせよ、動物達がいかに普段の「行動」をしてくれるかを考えて展示館(舎)が作られており、その仕組みを見るだけでも「なるほどーっ」と思わせるものばかりてした。
以下、動物園で撮影した写真を中心に振り返ってみます。ご参考になれば幸いです。
旭山動物園;写真を中心に
羽田11時15分発のAirDo 083便で北海道旭川に向かいました。旭川には12時50分到着。
そこからレンタカーの空港カウンター⇒レンタカー会社営業所へ向かって、車に乗り込んで動物園に到着したのは14時前。
駐車場から入場まで
↑;正門の近くにはこのような結構広大な民間駐車場があります。しかも、無料!。正門の第一・第二駐車場は満車だったのでこちらに駐車しました。
↑;午後2時ですが、チケット売り場は行列・・・。対面販売のみでチケット販売機は設置していませんでした。ここは第一駐車場につながっています。
↑;正門の料金表。 年間パスポートとおもてなし券の安さがおかしいレベル。
↑;いよいよ正門の入場口をくぐって動物園内に入ります。
↑;入場門を抜けるとすぐに手作り感満載の掲示板。 チェックすることがお勧めの時間ごとの「もぐもぐタイム」。 早い話が「餌やり時間」なのですが、これが超人気とのこと。 我々家族はそんなに時間がなかったので、軽くチェックして気になる展示館を行き当たりばったりで見てゆくことに。どうしても見たい場合はかなり早めにいかないといい場所を確保するのは難しいそうです。
↑;正門から奥へ向かうと右手に「フラミンゴ舎」と「ととりの杜」があります。網の覆われた広いエリアで水鳥が自由に飛び回り、その中に人間が入っていくスタイル。 我々家族は先を急ぐためにパス。
ぺんぎん館
↑;ぺんぎん館です。入口からまずは屋内に入ります。2000年オープン。
↑;当たり前ですが、館内のフラッシュ撮影や飲食等は禁止。
↑;チューブ状のアクリルトンネルの中を進みます。ペンギンの泳ぐ中を海中散歩的に進めます。
↑;結構高速で泳いでいるペンギンたちなので、良い写真があまりないのですが。 翼を広げているので、まるで空をとんでいるような感じです。(池袋サンシャイン動物園のペンギンもこんな感じでした。)
↑;アクリルトンネルを抜けると、一般的な室内展示も。 ペンギンは小さくてコロコロしていて癒されます。
↑;館内を抜ければ外からもこんな感じで屋外のペンギンを眺めることができます。このペンギン達はアクリルトンネルの周りを泳いでいたキングペンギン。結構大きい。
あざらし館
↑;急ぎます。引き続いてあざらし館へ向かいます。入口です。あざらし館は2004年開設。
↑;あざらし館内部には大きな水槽の側面におおきな透明な窓があって水面下からあざらしが泳いでいるところを観察可能。 これだけでも結構ダイナミックです。
↑;人だかりができているのが、あざらし館の「円柱水槽(マリンウェイ)」です。 上下にあざらしが泳ぐ姿を間近で見れるチャンス。そうはいっても、都合よくあざらしも来てくれません。
↑;しばし待ってもあざらしがやってこず。あきらめて立ち去ろうとしたときに「おおっー!」という歓声が。振り返って写真撮りますが、しっぽだけ・・・。 泳いでいる姿をかなり間近に見れる面白い仕掛けです。ガイドブック等にも頻繁に出てくる旭山動物園の名物スポットの一つ。
↑;屋外から観察するとよく見る「日向ぼっこするあざらし」も観察できます。 ここにいるあざらしは「ゴマフアザラシ」 展示は「北海道の港町」をイメージしているそうで、奥の木造の船っぽいのとかテトラポッドはそういう意図の様です。
もうじゅう館
↑;高いコンクリート壁に「もうじゅう館」の文字。 動物園にきたからには、やっぱりヒョウとかライオンとか見てみたいですからね。 外さずに向かいました。1998年開設とのこと。
↑;まずはヒグマ。これは「エゾヒグマ」という種類のクマ。のしのしと歩く姿を見ることができました。
↑;同じくもうじゅう館の「アムールトラ」。 こういう肉食動物って日中はゴロゴロとしている印象しかなかったのですが、どういうわけかウロウロしてくれています。柵の向こうには実は「ライオン」が居ます。もしかしたら、それが気になってうろついているのでしょうか??
↑;アムールトラのアップ。精悍でかっこいいですね。
↑;で、先ほどのアムールトラの隣にはライオンが。 ライオンはちょうど柵越しにアムールトラを威嚇(じゃれあっている?)していました。 虎とヒョウが柵一つで隣りあわせってあまり見たことないですね。
↑;その後、お休みのライオン。
↑;「動いている動物多し。」といいましたが、これは寝ている「ユキヒョウ」。これは本当に白くて美しかった。ぬいぐるみかとおもう綺麗さ。
↑;Theヒョウ柄。アムールヒョウです。 檻から近い感じです。
もうじゅう館はかなり楽しめます。「動物園に来た!」という感じが昭和世代には分かりやすい。
ほっきょくぐま館
↑;次はほっきょくぐま館。次々まわります。(画面左には「屋外観察」と書かれています。)
↑;ほっきょくぐま館の屋外展示の様子。 岩場を模した展示エリアに居ました。どういうわけかやっぱり動き回ってくれています。
↑;観覧客とクマのエリアは、深い断崖で境されています。 こんな感じで結構近くまで来てくれました。
↑;動き回っています。 ホッキョクグマは耳としっぽが小さいとか。極寒の地で少しでも余分に体温を失わないためと説明されていました。
↑;屋外展示を楽しんだら、そのまま屋内展示入り口へ向かいます。
↑;ホッキョクグマなのに「水槽?」と思っていたら、
↑;屋外につながる水槽の壁面はこのように透明になっていて、ホッキョクグマが泳いでいる姿を見学することができます。 これ結構感動しました。「シロクマ、泳いでるよ!。」
↑;柵はありますが、結構近い位置までやってきます。 しかも、ぐーたらしていないでどういうわけか動いてくれたんですよね。
↑;さて、ここで一休みして食事を軽くとることにしました。やはりGWです、これぐらいは並んでいました。ちなみにこの写真は「動物園くらぶ東門売店」。 付近に休憩室(飲食可能)があって、そこで食事をすることができました。 ほかにも「ZOOキッチンCoCoLo(ココロ)」「動物園中央食堂」「ガーデンテラス ライオン」等といったレストラン・売店がありました。
ちんぱんじー館 チンパンジーの森
14時に入園した自分たちにはあまり時間がありません。少し日が傾いてきました。どんどん行きます。
↑;チンパンジーの森・ちんぱんじー館 にやってきました。 両者は併設(一体化)しています。画面左上には、高い位置にあるチンパンジーの遊具(というか、森林を模した施設??)が見えています。2006年オープン。
↑;まずは屋外展示です。 ホッキョクグマ館同様に深く大きな堀で人間たちと境界されていますが、群れの全体をゆっくり眺めることができます。
↑;チンパンジー館の中には、ガラス張りのこのようなチンパンジーの群れが過ごせるエリアが「2つ」ありました。今回手前のエリアは「無人」ならぬ「無サル」状態で、どうやら屋外展示場にいた群れが冬場や夜に過ごしている場所の様です。
↑;チンパンジーの森に居る群れの紹介。 2グループいて、屋内・屋外に1グループづついるみたいです。 しかし、自分よりも前に生まれたチンパンジーがいるとは・・・結構長寿なんだなと感心。
↑;奥のエリアにはいました。「キーボの群」です。ガラス越しにかなり近くで観察可能。
↑;上から見下ろすための観察用の窓枠に飛びついているチンパンジーとか、、、
↑;設計者の狙い通り?な感じでロープにぶら下がってターザンになっているチンパンジーとか、、、
↑;じゃれあう2頭のチンパンジーとか、
↑;ガラスの側で膝を立てて座りながら、物思いにふける??チンパンジーも。 ガラス越しで距離が近い・・・。
↑;チンパンジー館を奥に進むと、先ほどの屋内展示を高い位置から観察できる窓を経て、こんな感じのアクリルトンネルで野外に出ます。(少し前のペンギン館の空中バージョンみたいな感じ。)
↑;アクリルトンネル越しに屋外のチンパンジーの群れたちを観察できます。やっぱり、チンパンジーは高いところが好きなんでしょうか。
↑;トンネルの真上をチンパンジーが歩いていました。チンパンジーと一緒に森林の高いところに上ったような感覚。
チンパンジー館も、動物達がダイナミックに動き回っていて、飽きない楽しい展示でした。
エゾシカの森 オオカミの森
↑;ちんぱんじー館の次は、旭山動物園でも有名な展示の一つであるおらんうーたん館へ行きたかったのですが、家族の意見でオオカミ・エゾシカへ。
↑;エゾシカの森へ。この施設は2009年開設。
↑;エゾシカの森もかなり立体的な動物の動線になっています。右下は人が歩くデッキですが、右上の橋は動物が通行するためのもの。岩場を模してあって、シカが「ピョンピョンはねて移動する姿」がみれるかと期待しましたが。
↑;エゾシカの親子。 残念ながら日向でゴロゴロしていて、走り回っている姿は観察できませんでした。まあ、そんなに都合よく走り回ってはくれませんよね。
↑;エゾシカの森に隣接するのが2008年開設の「オオカミの森」 屋内展示もあるのですが、まず屋外で観察。どうやら屋外には5頭いるみたいです。
↑;オオカミの屋外の放飼場には、小川がありました。また、いかにも上って集団で遠吠えできそうな「岩山」が設置されていました。
↑;手前の柵にピントが合ってしまった写真ですが、オオカミが集団で遠吠えを開始。 その前に誰かが(少年っぽい)が、オオカミの鳴き声をまねしていたのですが、それに反応して、岩山にオオカミ集合。 遠吠えが始まりました。 これまたすごい人だかりになっていました。ちなみにこの狼は「シンリンオオカミ」という種類でカナダ・アラスカに生息しているとか。 当たり前ですが、オオカミの遠吠えは初めて見ました。感動です。
↑;オオカミはイヌ科の動物。 言われなければ「こんな犬いるよな」と思ってしまいます。
↑;「オオカミの森」 も屋内展示あったのですが、時間の都合でパス。 じっくり見て回りたかったのですが。
シロフクロウ舎
↑;シロフクロウ舎に来ました。ここは、建物ではなく大きな鳥かご(檻)が設置されています。シマフクロウはツンドラ地方に生息。 なんと餌は「ひよこ」とか。冬になると雪と同化してほとんど見えなくなるとか。
↑;シロフクロウのつがい。手前の真っ白なのがオス。奥にいる模様があるのがメス。
↑;オスのシロフクロウのアップ。 高貴でありながら、愛嬌があるというか・・・七福神の仲間に居そうな・・・。なにか縁起が良さげです。 今回の訪問でもっとも気に入った動物かもしれません。
↑;同じくシロフクロウのメスのアップ。 こちらの方がなんだか凛々しくて鷹や鷲の仲間たる猛禽類といった風格があります。
レッサーパンダ舎
↑;レッサーパンダ舎の前を通ります。 吊り橋が見えますが、レッサーパンダが渡れる仕様。ただし、渡っているところを見ることは今回はできませんでした。吊り橋は2007年完成。正式名は「シセンレッサーパンダ」とのこと。
↑;この時間帯はレッサーパンダ達は動き回ってくれていて、すばしっこくてかわいらしい姿を堪能できました。
かば館
↑;かば館です。2013年にオープンしています。カバだけでなく「イボイノシシ」や「ダチョウ」といった早く走る動物の展示もあります。
↑;かば館には雄雌それぞれ一頭ずつが展示されていました。「まきふん来るよ! お尻を向けたら気を付けて!!」にかなりビビります。
↑;この日は屋外にいたのが、雌の「旭子」。 目をつぶってじっとしておとなしくしていました。
↑;屋内水槽に居たのはオスの「百吉」。 先ほどのメスの旭子と違って、ひたすら泳ぎ回っていました。元気な奴。
↑;写真では大きさが伝わりにくいのですが、「巨大」です。
↑;先ほどのカバの「百吉」が居た水槽は、下から見上げる形でも観察できます。が、ちょうどよい写真は撮れず。
↑;夏季開園時間は夏場は17:15までですが、動物によっては16時台には動物舎に入ってしまったりするみたいです。17時前には動物園を出ました。
まとめ
北海道旭川市の 旭山動物園 に行って来ました。なだらかで雄大な丘陵地に広がる動物園でした。
滞在時間が3時間ほどしかなかったので、すべてを堪能したとは言い難く、かいつまんで見学しただけです。
しかし、噂にたがわぬ素晴らしい動物園だったと思います。初めに書いたことと重複しますが、以下のような点が良かったなあと振り返って思います。
- 展示に工夫がされていて、できるだけ動物の普段の様子を近くで観察で来る仕掛けが多数あります。
- そのせいかどうかはわからないが、他の動物園でありがちな「檻の片隅で、ぐったり寝てばかり」ではなく、「動き回る様子」が観察できます。
- 入園料が安いです。
- 職員手書きの案内板や説明書きを読むとさらに動物の理解が進みます。高学年の子供や大人でもなるほどと思わされることも多いと思います。
シッカリ観覧するには、半日では厳しいです。できれば一日しっかり見て回りたかったです。もう一度旭川に来れるならば再来したいと思わせる動物園でした。