電磁波パルス(EMP)や太陽フレアからデジタルデータを守る。 光学Discへバックアップ

モノ
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はじめに

デジタルデータのバックアップをBlu-ray discで取ることにしました。光学ディスクは電磁波攻撃に強いだろうと考えてのことです。

これまでの光学ディスクは寿命が数年から十年程度といわれていましたが、「M-Disc」というタイプのディスクは「1000年」の耐久性を謳っていましたので、これを使うことにしました。

 

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自分のデジタルデータのバックアップ状況

このブログのお題の通り、40歳過ぎて東京に移住することになってしまいました。

都会の手狭な住まいに引っ越す準備のために、写真や、子供たちのビデオ、各種書類など捨てに捨ててデジタル化してきました。(DVテープをDVD化;記事はこちら

それらのデータは

  1. Google drive(クラウドストレージ)
  2. 1.に同期したローカルの外付けHDD

の2か所に保存していました。 2重のバックアップでは不安だとは思っていたのですが、なんとなく手を付ける時間がなくそのままに。

そんな中、北朝鮮がEMP攻撃の予告で威嚇をしていますし、最近は太陽フレアの発生が報道されました。

1.のグーグルのデータセンターは、きっと世界に分散して存在し、電磁波対策・テロ対策はされているだろうと楽観的に考えていますが、2.のHDDは電磁波攻撃や磁気嵐でクラッシュしてしまうかもしれません。

そこで、思い付いたのが光学Discです。光学ディスクなら、磁気や電子回路は関係なく、データは「光学的」に保存されているわけです。

 

しかし、問題がありました。

  • 動画や写真のデータが大きくそれらを含めて300GBくらいある。
  • 光学ディスクも決して半永久的に保存できるわけではない。むしろ磁気テープに負けるとの話もある。・・・実際、大分昔ですがCD-Rが数年後読みだせなかったことも。

自分は、Blu-ray discは最大でも20GB程度しか書き込めないと思っていたのですが、それはすでに時代遅れで、現在BDXL規格では100GBとか128GBの容量を持つDiscがあるということを知りました。

また、Discの寿命の問題も「1000年」持つという「M-Disc」という規格があることを知りました。

ということで、上記2点の問題は解消されていると判断。

BDXL規格やM-Discの書き込みに対応しているBDドライブを購入することにしました。

 

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M-DISCとは

アメリカの Millenniata社 が開発した光ディスクの記録方式の一種です。

M-DISCの原理を利用した製品は、Blu-rayだけでなくDVDのディスクにもすでに応用されていて、最初に実用化されたのは4.7GBのDVDだったそうです。

その後、同じ原理でBlu-rayにも応用されるようになりました。

参照;M-DISC公式サイト

M-DISCの特徴

  • 一般的に用いられている有機色素を使わずに無機素材に書き込んでいる。
  • 有機素材の化学的変化による記録ではなく、『「岩のような」無機素材に「彫り込む」』ことで記録している。

MDISC technology comparison

↑;反射層が省かれ、色素のよる化学的記録ではなく、無機質(Rock-like layer)に「彫り込む」との模式図。

  • これにより、光・熱・湿度といった「データを朽ちさせてしまう要素」に高い耐性を持つようになった。
  • M-DISCに書き込むには専用のレコーダーが必要だが、読み込みはほとんどのプレイヤーで可能である。
  • ISO規格での試験や、米軍での試験で耐久性が明らかにされている。・・・試験の詳細は公式サイトに掲載。

MDISC 各条件下における耐久性

↑;M-DISC DVDの平均予測寿命。 これ、単位が「日」とか「月」でなく、「年」ですから驚きです。乾燥した寒冷地なら10000年以上とか(ただし、実際はディスクのポリカーボネートが1000年位で寿命と書いてありましたが。) 実際の数字の信ぴょう性はともかくとして、温度と湿度が寿命に大きく影響を与えることが良く分かる表だと思います。

 

他社ブランドのDVD

↑;他社ブランドをディスクを同じように試験した結果から推測される寿命。 話半分に聞いても数年程度しか持たないってことですかね。

とまあ、本当に1000年持つかどうかは分かりませんが、これまでのBlu-rayやDVD、HDD、フラッシュストレージより劣るということはなさそうです。

いろんな会社がM-DISCを製造していますが、三菱化学メディア株式会社が、

Verbatim®(バーベイタム) ブランドで販売しています。

 

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BDXL規格 M-Disc書き込みに対応しているポータブルBDドライブ

さて、上述したように、M-DISCの読み込みは現在売られているほとんどのドライブで可能らしいのですが、書き込みは規格に対応しているドライブでしかできません。

メジャーな周辺機器メーカーの対応状況を調べてみましたが、ほとんどがM-DISCの書き込みに対応していました。

中には、M-DISCを用いる前提での業務用の長期保存アーカイブ専用のドライブも販売されていました。(ポータブルではなく大きな筐体で)。

結構惹かれましたが、やはり高価!。(I・Oデータ製)パイオニア製のドライブでお金があればこれがほしい・・・。

 

もう少しお手軽で、ポータブルタイプで、個人向けで添付ソフトが充実しているものを各社からピックアップしてみました。

この製品は、ドライブ側がUSBType-Cコネクタになっており付属ソフトも充実。4K対応のUHDBDにも対応のハイスペックモデル。M-DISC対応。

 

この製品は、アルミ製のヘアライン処理の筐体がカッコいいです。M-DISC対応。

 

これも、4KのUHDBD対応。M-DISC対応です。添付ソフトも豊富なタイプ。

 

上記三社の製品はいずれも実売は12000円~15000円程度のようです。

 

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実際にM-DISCでバックアップ取ってみました。

さて、家電量販店へ行って上記の製品たちを比較してみましたが、正直なところどれも大きな欠点はないと感じました。

結局、LogitecのLBD-PVA6UCVBKを購入

Logitec LBD PVA6UCVBK
↑;何が決め手ってわけではないのですが、USB-C端子だったことでしょうか。

 

次いで、ブランクのBD-Rディスクを探します。

まずはM-DISCを探しました。上述の三菱 Verbatimブランドで、25GB, 50GB, 100GBとそろっていたのですが、残念ながら100GBは品切れで取り寄せになるとのこと。

  • BD-R M-DISC 25GB ×10枚;3650円
  • BD-R M-DISC 50GB ×5枚;5454円
  • BD-R 普通のDISC 25GB ×10枚;1166円

以上を購入。 M-DISCは普通のDISCの約3倍の値段でした。

BD R いろいろ
↑;一番右の50GB M-DISCのみ日本製。残りはMade in Taiwan.

 

Logitec LBD PVA6UCVBK付属品
↑;USB type-CケーブルとType-Aケーブルの二本付属していました。本体は厚さ9.5mmとかなり薄型で軽量です。

 

Logitec LBD PVA6UCVBK 接続
↑;付属のデータ書き込みソフトもありますが、特にドライバー等は不要で、接続するだけでドライブとして認識されました。

 

ドライブ画面1
↑;「BD-REドライブ」として認識。ダブルクリックすると、ブランクディスクを挿入するように指示。

 

ドライブ画面2
↑;今回はとりあえず19GB程度のEvernoteのファイルのバックアップを取ってみます。 ファイルをドライブにドラッグして持っていきます。

 

ドライブ画面3
↑;「書き込みを完了する。」をクリックすると書き込みが始まります。

書き込みの残り時間 20分 と出ましたが、実際にはその3倍くらい掛かりました。

BD R MDISC 焼き上がり
↑;焼き上がりました。 できるだけ涼しくて乾燥した暗い所で保存することがさらなる長持ちの秘訣。

 

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まとめ

北朝鮮の電磁波攻撃や太陽フレアの磁気嵐などで、デジタルデータが破損する可能性が上がってきていると思います。

そのような場合、光学ディスクは有力なデータバックアップ方法です。

一方で、光学ディスクは思いのほか寿命が短いのが弱点でしたが、数年前に発売されたM-DISCは計算上の寿命は数百年にもなります。

M-DISCのブランクディスクは残念ながら普通のBD-Rディスクよりかなり高価(三倍程度)ですが、結果的には安上がりになると思います。

しかし、300GBのデータのバックアップには、15時間くらいかかる計算になりそうです。結構大変・・・。