はじめに
40歳をかなり超えた地方出身者が東京に住むことになりました。
戸建て→マンションへの移住でかなり収納スペースが減ります。
これまでも様々な不用品を処分してきましたが、今回はちょっと変わり種で
- 古美術(掛け軸)
を処分してみることにしました。
今回、インターネット(メール)査定をしてくれると謳っている古美術商3社に写真を送付して査定を依頼。そのうちの一社に出張買取を依頼しました。
よろしければこちらも;これまでの不用品処分の記事のまとめ
我が家にあった掛け軸
代々我が家に伝わる掛け軸は、伝説の一子相伝門外不出の・・・
と言いたいところですが、全然そんな由緒正しいものではなく、どんな経緯で現在に至ったかも謎な掛け軸が複数あります。
曽祖父の時代からあったことだけは確かですが、結構場所を取って邪魔です。それでも、田舎の一戸建てに住んでいるときは、階段下の収納スペースの奥に放置できていましたが、新居のマンションは格段に狭小化。少しのスペースも無駄にできません。
しかも、掛け軸本体はシミや汚れも目立ち一部は破れているところもあり、素人目にはあんまり価値は無さそうに見えます。
いつかは処分しなければと思いながらも、自分が住んでいた地方都市には「古美術商」なるお店は皆無で、そのままほったらかしにしていました。
ですが、東京への移住を契機に、処分することにしました。
正直、「廃棄処分」にしようかとも思ったのですが、某「なんでも鑑定団」的なもしかしてもしかしたらというスケベ心が湧き上がってきたこともあり、やはり査定してみることに。
しかし一方で、本当に無価値「0円」だった場合、査定してもらって鑑定士の方から「まことに申し上げにくいのですが・・・。」なんて言われるのもかなり恥ずかしいよなとも思っていました。 が、どうやらそういう人のために最近は「メール査定」とか「インタネット査定」みたいなものがあることが判明。
コレならば、万一「0円」査定であった場合のこっぱずかしさがかなり軽減されると思い、さっそく適当に3社を見繕ってメール査定をしてみました。
ネットで買取をしてくれる古美術商を検索
「古美術」「掛け軸」「買取」などのワードで検索すると、たくさんの業者がヒットしてきます。
しかし、業界に詳しいわけでもなく、どうやって選んだらいいか分かりません。
なので、独断と偏見で以下のような自分なりの基準を決めました。
- 複数の実店舗でも営業をしている。
- メールやインターネットでも査定をしてくれる。
- 現状「車が無い生活」なので、宅配あるいは出張買取もしてくれる。
これに加えて、サイトを見ての(あてにならない)直感も加えて選択。
メール・インターネット査定の実際
ほとんどのサイトで専用のフォームがあるので、それに写真をアップロードして必要事項を記入して送信しました。一部の会社ではメールアドレスに直接メールする方式もありました。
メール査定の段階で詳細な個人情報を晒すのには結構抵抗があったのですが、住所も「東京都○○区」くらいまででもOKでしたので、思ったよりもハードルは低いかもしれません。
大体、どの業者のサイトにも「上手な査定用写真の撮り方」的なコーナーがあるので、それを参考に
- 全体図
- 落款・印・署名など拡大図
- 箱や添付書類(鑑定書?)
- 汚れ・破損部
を撮影してアップロード。
処分したい掛け軸は7-8本程度でしたが、自分なりに調べて一応作者が分かったのは2本。有名?画家の名前もあったので「もしかしてもしかするかも」と、皮算用も盛り上がります。(「そのほとんどは贋作で写しですよ。」とも多くのサイトには記載されていましたが。)
三社に依頼して全てから返信がありました。
- HO社;査定の返信結果は10日程度かかりましたが、各掛け軸それぞれを評価していただきました。写真での簡易鑑定なので評価額はかなりの幅をもっての提示でした。作者が分かる物は作者名を付けてくれていました。一部の掛け軸に関してははっきりと「需要がなく値付けできない。(つまり0円)」と(正直に)の査定をいただきました。
- NI社;メール査定の結果は、「現物を見ないと価格は出せない。」とのお返事でした・・・。安易に値段を提示するよりは「正直」なのかもしれません。
- HA社;査定の返信は翌日と早かったです。各掛け軸毎に、判明可能なものには作者名を付けてくれていました。やはり幅はあるものの概略査定額を教えていただきました。
上記3社のうち、価格も提示してくれた2社に関しては、提示された価格帯はほとんど一緒でしたので、ものすごく足元を見ているとかそういう可能性は少ないのかなと判断。
ということでHA社(八光堂;日本各地に支店のある古美術商)さんと取引することにしました。
参照;八光堂公式サイト
八光堂 さんとのやり取りと出張買取
メールでの査定額の提示の文面末尾には、売却をお考えでしたら連絡をとのことでしたので、「出張買取」でお願いしたい旨を返信。
メールでのやり取りで買取日時を設定。
この段階で詳細な自宅の住所・連絡先をお伝えしました。
指定の日時に鑑定士さんが訪問。
掛け軸を掛ける床の間もなければ、大きく広げるスペースもない状況でしたが、丸めた状況で、手早く品物をチェックしていかれます。流石がプロのお仕事。
↑;鑑定士さんに許可をいただいて鑑定中の後ろ姿の撮影をさせていただきました。
その間、ちょっとした雑談などもしつつ査定は進みました。古美術や業界のお話も聞けて退屈せずに済みました。
いよいよ査定額の発表。
- まず、「一番名の知れた某画家」のものらしい掛け軸ですが、もちろん真作ではなく「写しです。」とのこと・・・。 頭ではわかっていましたが、欲の皮がボロボロとはがれていく感じ・・・。 「写しですが、それなりに書き込まれた物で古い物であることも確かです。」とのことで、40,000円の提示。
- もう一点の一応作者の名前の入っている掛け軸も、鑑定士さんが思わず苦笑いするほどの「かなり雑な写し」との判定。 ですが、それでも20,000円でと。
- さらにその他もろもろに関しては、「季節や法事などに応じて手軽にかけていたのであろう」無名のもの達とのことで、「まあ、まとめて5000円ですね。」
結果は、最初にメール査定で知らされていた金額に近かったので特に大きな驚きはなく、その提示価格で買い取りをお願いしました。
取引成立後は、鑑定士の方が買取の品の写真撮影を行い、それをもとに店舗のスタッフと電話で確認のやり取りをしました。
(最近、このダブルチェックパターンにいろんなところで出会います。訪問販売等の場合の法律が変わったのでしょうか。引っ越しの見積もり等の場合も、「現場の営業の方の説明」+「店舗のスタッフとの電話での直接確認。」を求められました。最近悪評のNHKの集金(契約)の場合も同じでした。)
買取の書類に必要事項(住所、氏名、電話番号、職業など)を記入し、提示された買い取り額も自ら所定の欄に書き込んで終了。身分証明書類(今回は運転免許証)を提示も必要です。
代金はその場で、現金払いで受領しました。
鑑定時間は実質30分位、査定開始から終了までは一時間程度でした。
終始丁寧な対応をしていただき感謝です。
↑;買取の書類の裏面のクーリングオフに関する説明の部分。 クーリングオフというと、「商品を買ったとき」だけだと思っていましたが、「商品を売ったとき」にも適応されるということを知りました。
まとめ
古美術商の 八光堂 さんでメールでの鑑定や、出張での査定・買取をしてもらいました。
全くの素人なので取引前はかなり不安もありました。
さらには、率直なところ、数万円の価値の掛け軸のために出張で買い取りしてもらうのは心苦しいところではありました。きっと鑑定士の方は、普段は数百万とか数千万するような名品を鑑定・査定しているんだろうなあと思うとあまりのショボさに申し訳ないような・・・。
しかし、宅配のために梱包したりレンタカーを借りて店舗まで持参するのは非常にめんどくさいので、出張で査定・買取をしていただいたのはありがたいです。
天国の曽祖父には悪いですが、どこかで掛け軸を気に入ってくれる人の下でReuseされるならばその方がいいかなと思います。ありがとうございました。