はじめに
地方都市から東京への移住計画、それなりに進んでいます。
物件探しでうろうろしていた寒い頃、一度新宿御苑の「温室」を中心に探索してみましたが、今回再び付近に来たので、前回巡れなかったところも見て回りました。
12月初旬、なんとか紅葉がギリギリ踏ん張っている感じの園内でした。
初めての新宿御苑訪問の記事;東京探索 新宿御苑 (三月初旬の冬枯れの時期でも暖かい温室を楽しめました。)
新宿御苑
以前の記事でも簡単に触れましたが、再度ちょこっと触れておきます。
江戸時代に信州高遠藩主、内藤氏の屋敷があったこの地に、新宿御苑が誕生したのは明治39年(1906)のことです。皇室の庭園として造られましたが、戦後国民公園となり、一般に開放されました。
北には、地下鉄丸ノ内線の「新宿御苑駅」が、南には、JR中央線「千駄ヶ谷駅」があります。(ちなみに新宿御苑前駅は新宿門と大木戸門のちょうど中間のあたりになるため駅を降りたらすぐ到着というわけではありません。)
東西にやや長い楕円形?のような形をしており、出入り口は以下の三か所です。
- 大木戸門;公園の北東にあります。四谷方面へ通じます。
- 新宿門;公園の北西にあり。新宿駅へ抜け行けます。
- 千駄ヶ谷門;公園の南に位置し、千駄ヶ谷駅へ通じます。
とにかく大きな公園。園内には、「フランス式」「英国式」「日本式」の庭園を含みます。
- 開園時間 9:00~16:00 (16:30閉園)
- 休園日 毎週月曜日(月曜日が休日の場合は翌平日)、年末年始(12月29日~1月3日)
- 入園料 一般200円 小・中学生50円 幼児無料
秋(晩秋)の新宿御苑へ
今回も北東の「大木戸門」から入場。
↑;この奥に入場兼売り場とゲートがあります。入園料は大人200円。入場券はQRコードが印刷されていて、自動改札になっています。
↑;前回来園時に入室した「温室」。ここもお勧めです(特に寒い日は)。
↑;前回完全に見落としていましたが、大木戸門から真っ直ぐ進むと「大木戸休憩所」というコンクリート作りのあずまや風の休憩所があります。
↑;大木戸休憩所の奥にも池(玉藻池)を中心とした小さめの日本庭園がありました。この庭園は新宿御苑の前身の内藤家の日本庭園;玉川園 とのこと。 小さいといってもあくまで御苑南西部の「日本式庭園」と比較しての話であって「玉川園」単体でもかなり見ごたえがあります。
新宿御苑 フランス式庭園とそのバラ園
↑;玉藻池から新宿御苑の端を回り込むように「フランス式庭園」の東の端付近へ抜けたあたり。ところどころ赤いもみじが残っています。
↑;フランス庭園の有名な「プラタナス並木」 すでに紅葉ではなく「冬枯れ」の様相・・・。それはそれで趣のある光景です。
さて、「今回もフランス式庭園のベストシーズンを外したか・・・」とあきらめモードでしたが、バラ園には意外なことにたくさんの種類のバラが咲いていました。
以下、そのバラです。
↑;以上、代表的なところだけでもこんな感じ。 広いバラ園に多品種が栽培されていました。
日頃、そんなに花(バラ)に興味があるわけではない人間ですが、素直に「きれいだな・・・。」と感じてしばしぼんやりと鑑賞。
新宿御苑 日本庭園 下の池~中の池
フランス庭園を抜けて日本庭園の東の端の池(下の池)付近にやってきました。
↑;日本庭園エリアの下の池付近。紅葉のポイントのようで絵を描いている人や、でかいカメラと三脚で撮影している人もちらほら。しかし、赤いというよりやや「茶色く」なりかけている気配も。もう少し早く来ればよかった・・・。
↑;同じく下の池の東の端付近。 よく見れば、これから赤くなりそうなもみじも残っていました。緑 黄 橙 赤 のグラデーションがきれい。
↑;下の池の南岸沿いの歩道を歩いて西の「旧御涼亭」方面へ向かいます。
↑;中の池にはマガモ?のつがい。 繁殖期かつオスだけ頭部が緑色になるそうです。へえー。 日本庭園の池は、東から順に西に向かって「下の池」「中の池」「上の池」の順に並びます。
↑;中の池の南岸から北東方向を見ています。新緑でもなく、紅葉といっても若干寂しい気配ですが、和風の雰囲気が落ち着きます。
新宿御苑 旧御涼亭(台湾閣)
中の池の西の端の南岸に立つ建物が「旧御涼亭(台湾閣)」。
↑;「旧御涼亭(台湾閣)」入口。 たしかにいきなり「中華風味」な建物。 赤い瓦や円形や八角形の格子窓等が特徴的。
旧御涼亭は、皇太子(のちの昭和天皇)のご成婚を記念して、台湾在住邦人の有志が造営、献上した建物です。
これは、大正12年(1923)の皇太子の台湾行啓を感謝して台湾側で募金活動を行ったところ5万円の寄付金が集まったため、中国風の涼亭を献上することになったもので、昭和2年10月に完成しました。
設計者は、もと台湾総督府の建築家であった森山松之助。当時新聞紙上で「水の上に建つご休息所」「夏のご散策の際に涼をとる建物」とその設計意図を語っています。
旧御涼亭内部の案内板より
↑;御涼亭内の案内板より。 一般客が入ることが出来るのは、「旧御休息所」と呼ばれるエリアですが、確かに「十字」が変形した「卍字」型になっています。 中国庭園建築の代表的モチーフとか。 平成10年に耐震補強・改修されています。
↑;旧御涼亭「玄関の丸窓」。 「於物魚躍」(あゝ満ちて魚躍れたりと は天子を賛美する言葉) とのこと。
↑;御涼亭入口を入って右手(東)を見ると、見事な紅葉が広がります。柱上部の格子(欄間)も確かに和風というより中華風。
↑;今度は御涼亭入口を入ってやや左、若干西よりを見ています。 格子状の柱の間から見える景色が「額縁に入った絵画」の様にも、あるいは折れ曲がった「屏風」の様にも感じられる眺め。
↑;御涼亭入口入って正面から池越しに日本庭園を眺めます。「調和の取れた様風景」を強く感じます。
↑;御涼亭の入口を振り返ります。 木製の装飾も当時の台湾様式。
↑;回り込んで旧御涼亭を北西方向から。「散策の際に涼むための池の上の建物」というコンセプト通りの姿。
↑;足元のイチョウの落ち葉と頭上の赤いもみじ。 秋が残っています。
↑;日本庭園の最も西にある上の池付近を散策してから帰途に。
追加;
↑;大木戸門を出てすぐに「新宿区四谷区民センター」という施設があって、一般に開放されています。9階に「モスバーガー(モスカフェ)」が入居していて店内からはこんな眺めが楽しめます。
まとめ
秋の新宿御苑に行ってきました。今回は
- 紅葉
- 秋バラ
- 旧御涼亭
を中心に見て回りました。
前回来園時は極寒・冬枯れで若干寂しい感じの園内だったのですが、今回は違う季節(秋)の違う姿(きれいな紅葉)の新宿御苑を堪能できました。
大人一名200円の入園料はとてもリーズナブル。
自分のようにセカセカと動き回っている人もいましたが、芝生やベンチでゆっくり読書したり、寝転がったりしてのんびりとした時間の使い方をしている方も大勢いました。
御苑内には茶室が2か所(翔天亭、楽羽亭)あって、お抹茶と和菓子を頂けます。今回は時間切れでしたが、ここもいい雰囲気を味わえるポイントだと思います。
全国レベルで有名な春の桜、11月の菊花壇展の時期もぜひ再訪したい公園です。