旧岩崎邸 和洋折衷の建物と庭でした。

旧岩崎邸庭園 洋館 南東からエリア・スポット
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はじめに

東京都内の公園・庭園を巡っています。

今回は、台東区池之端の 旧岩崎邸庭園 に行ってきました。

三菱財閥のお屋敷だけあって、洋館・和館ともに趣ある造りでした。 和館では、お菓子・お茶を頂くこともできます。

40歳超の枯れかけ?の夫婦にちょうど良い、落ち着いた時間を過ごせました。

 

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旧岩崎邸庭園とは

何年か前に、NHKの大河ドラマ「龍馬伝」が放送されていました。 そのドラマは坂本龍馬を主人公としながらも、「岩崎 弥太郎」の視点で話が進行していました。

さて、岩崎弥太郎 は日本有数の財閥 三菱の創始者で総帥

その長男、久弥の本邸として建築されたのが、「旧岩崎邸」です。

当時は現在の敷地の3倍の広さを誇り、建物も20棟あったとのこと。 現在、建物は

  • 洋館;木造であるところが驚きです。(素人な意見ですみません。)
  • 和館;売店や喫茶店もあります。
  • 撞球室(ビリヤード場);洋館とは地下通路でつながっているそうですが、内部は一般公開されていません。

の三つが残存しています。洋館と撞球室は、「鹿鳴館」を設計した「ジョサイア・コンドル」の設計によるものとのことで、文化財的にも非常に重要なものになっています。

 


↑;地下鉄「湯島」駅が最寄駅です。 上野公園・不忍池からも徒歩圏内。北側には東大の附属病院があります。

 

入園料は以下の通り。 これまで巡った都内の庭園・公園同様にお安く楽しめる点もありがたいです。

  • 一般;400円
  • 65歳以上;200円
  • (小学生以下及び都内在住・在学の中学生は無料)

 

参照;庭園に行こう。(東京都公園協会)公式サイト

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旧岩崎邸庭園の実際の様子;訪問記

残暑厳しい時期に、子供の受験の神頼みのために「湯島天満宮」でご祈祷していただきました。 その後、時間が出来たので、「旧岩崎邸庭園」に行くことにしました。

 

旧岩崎庭園 正門 看板
↑;旧岩崎邸庭園の入り口にたどり着きました。湯島駅から徒歩数分。 出入口は敷地の南東の一か所しかないようですので注意を。

 

旧岩崎庭園 正門
↑;旧岩崎邸庭園の敷地南東にある正門。ここからチケット売り場までは、しばらくは少し上り坂が続きます。

 

旧岩崎庭園 入場券売り場
↑;敷地の北の端のあたりに、入場券売り場があります。チケットを購入。売り場のスタッフの方から「現在工事中なんですけど・・・。」と。 えっ、入れないの?・・・と思いきや、入場は問題なしとのこと。

 

旧岩崎庭園 洋館入口側 工事中
↑;旧岩崎邸庭園の洋館を北側から眺めたところ。 んー・・・。足場が組まれています。たしかに工事中です。若干残念・・・。

 

旧岩崎庭園 洋館の本来の姿のパネル 工事現場に掲示
↑;工事現場に掲示されていた「工事前」の洋館の様子。 足場がなければこんな感じの様です。 一見石造りの洋風のお屋敷っぽいのですが、「木造」です。 明治を感じます。

 

旧岩崎庭園 洋館外壁修復工事のお知らせ
↑;2018年は、そのほとんどが工事期間にかかってしまうようです。年末には修復されて美しくなった姿が見られそうです。

 

旧岩崎邸庭園『館内写真撮影について』|旧岩崎邸庭園|公園へ行こ
↑;以前は写真撮影基本的に禁止だったようですが、2016年から「平日に限り」写真撮影O.Kになっています。(が、三脚を持ち込んだりは禁止)

 

旧岩崎庭園 洋館の説明
↑;「旧岩崎邸;洋館」の説明。 洋館を客人用に、和館を普段の生活に使っていたとのことです。 旧岩崎邸庭園が一般公開されたのは意外に最近で2001年からとのこと。

 

旧岩崎庭園 洋館 和館 順路図
↑;旧岩崎邸洋館玄関付近には、建物の案内図と順路が示されています。 行って戻ってということも可能ですが、基本的には「洋館玄関⇒洋館1F⇒階段⇒洋館2F⇒階段で1Fに戻る⇒和館⇒出口⇒庭園の散策⇒撞球室(外から見学)⇒チケット売り場に戻る」という順路で巡ります。

 

旧岩崎庭園 洋館正面玄関内部
↑;洋館の玄関を正面から。 下足は脱いで袋に入れて館内を見学します。 解説によると玄関のステンドグラスも当時のままのものが現存しているとのこと。「ジャコビアン様式」らしいです。(17世紀のイギリスの建築・美術などの様式)

 

旧岩崎庭園 洋館 玄関の暖炉
↑;洋館のいたるところに、このような暖炉が設置されています。 当時としては最先端の設備だったんでしょう。

 

旧岩崎庭園 洋館1F 大食堂
↑;旧岩崎邸洋館の大食堂。 来客用のダイニングルームだったそうです。 現在ではシアターとなっており、解説の映像が放映されています。 ここにも暖炉。

 

旧岩崎庭園 洋館1F ベランダから庭を
↑;洋館南側はベランダになっています。 非常に明るいです。 ベランダに敷き詰められているタイルはミントン製の「ビクトリアン・タイル」。 ベランダの柱は「トスカーナ式」の列柱とか。

 

旧岩崎庭園 洋館1F サンルームから庭を眺める
↑;洋館の東側は「サンルーム」となっており、広いガラス面を取って太陽の明かり・暖かさを取り入れる仕組みに。

 

旧岩崎庭園 洋館1F バカラのグラス
↑;テーブルウエアも展示あり。 バカラ製。

 

旧岩崎庭園 洋館1F 夫人客室天井刺繍
↑;旧岩崎邸一階の夫人客室天井。 綺麗な装飾ですが、これは刺繍で明治期に日本の建物に取り入れだされたとのこと。

 

旧岩崎庭園 洋館1階 書斎暖炉
↑;洋館一階の客室の暖炉。 暖炉はたくさんありますが、それぞれに趣が少しずつ異なっています。

 

旧岩崎庭園 洋館1階 地下への階段
↑;地下への階段ですが、一般客は入れません。 地下室からビリヤード場へ通じているそうです。

 

旧岩崎庭園 岩崎家とコンドル 説明板
↑;ジョサイア・コンドルの略歴などを示した解説。 政府に招聘されて来日し多数の建築作品を残し、最後は日本で没したとのこと。「鹿鳴館、三菱一号館、有栖川宮邸、ニコライ堂・・・」とその作品も列記されていました。

 

旧岩崎庭園 当時の全体の図面
↑;旧岩崎邸庭園の当時の図面。 これも文化財です。

 

旧岩崎庭園 洋館 階段中程から下を眺める
↑;一階から二階へ通じる「大階段」。 この階段自体には支柱がない造りであると解説されていました。

 

旧岩崎庭園 洋館 階段から廊下ホールと暖炉を見下ろす
↑;大階段途中から、一階を見下ろします。 柱や暖炉が重厚でクラシカルな雰囲気を出しています。

 

旧岩崎庭園 洋館 階段 手すりの装飾
↑;大階段の装飾。「アカンサス風」

 

旧岩崎庭園 洋館1階 階段付近の飾り柱
↑;丁寧な装飾が施された大階段付近の柱。

 

旧岩崎庭園 洋館2階 客室全体
↑;2階に上ってきました。 ほとんどが客間となっています。

 

旧岩崎庭園 洋館2階 ベランダ
↑;旧岩崎邸洋館2階南側にもベランダがあります。 一階同様に西洋風の柱が並んでおり、こちらは、「イオニア式列柱」。

旧岩崎庭園 洋館2階 婦人客室
↑;こちらは、1階サンルームの上の部分にあたる二階の東側夫人客室。

2階には、その他洋風のトイレや、各種貴重な家財などの展示もありました。 大階段に戻って一階へ降りていきます。

 

旧岩崎庭園 洋館1階ホール 和館方向
↑;旧岩崎邸洋館一階の廊下の西から順路通り「和館」へと向かいます。

旧岩崎庭園 和館への順路看板
↑;和館へつながる廊下。 突然和風になります。

旧岩崎庭園 和館 お茶お菓子の案内
↑;廊下を進むと、ついつい吸い込まれる文言が現れます。抹茶、ぜんざい・・。

旧岩崎庭園 和館 抹茶席
↑;旧岩崎邸和館のお茶席には、絵葉書やそのた関連グッズを販売する売店も併設。 テーブル席が付近にあります。

旧岩崎庭園 和館 お抹茶席 奥まで広い
↑;旧岩崎邸和館お茶席;奥には畳席も多数あります。 歴史ある風情です。

旧岩崎庭園 和館 お抹茶セット
↑;お抹茶セット;上生菓子付き。

 

旧岩崎庭園 和館 冷やし白玉ぜんざい
↑;冷やし白玉ぜんざい。

こういう雰囲気の中で、ゆっくりくつろいで食べるせいもあるでしょうが、美味しくいただきました。 重要文化財の建物の中で飲食できるのには、少し驚きました・・・。

 

旧岩崎庭園 和館 茶店前の畳の廊下
↑;和館の東側の縁側と廊下。畳敷きの広い廊下です。

 

旧岩崎庭園 和館 外観
↑;和館の縁側・廊下を外から見るとこんな感じ。書院造の純和風建築。庭の大部分は芝庭で洋風ですが、和館付近の一部には和風庭園も残存しています。

 

旧岩崎庭園 和館 広間 床の間の富士
↑;旧岩崎邸和館 広間。 床の間にはうっすらですが、「富士と波」が描かれているのが分かります。

さて、和館の見学もこれで終了。 和館の南には出口がありますので、そこで靴に履き替えて屋外に出ます。

 

旧岩崎庭園 庭園から 洋館 和館 ビリヤード場
↑;庭のできるだけ南端に移動して旧岩崎邸洋館を撮影。 幸いなことに洋館の南側の修復工事は実施していなかったので、邪魔するものなく撮影可能でした。 芝の緑も心地よく都心だということを忘れさせてくれます。(この写真は分かりにくいのですが、右端に撞球室(ビリヤード場)があります。)

 

旧岩崎庭園 庭園奥の灯篭
↑;庭園は広い芝庭であり、基本的には「洋風庭園」なのですが、もともとは大名庭園だったらしく、庭の端っこには和風の庭石や灯篭が残っています。

 

旧岩崎庭園 洋館外観 サンルームとバルコニー側
↑;旧岩崎邸洋館に近づいて南東方向から。 やっぱり木造建築ということがなかなか信じられない感じがします。重厚です。 特に南側ベランダはヨーロッパの宮殿・神殿の様です。

 

旧岩崎庭園 洋館外観サンルーム側全景
↑;同じく旧岩崎邸洋館サンルームのある東側。 明治という時代の雰囲気が伝わります。

 

旧岩崎庭園 ビリヤード場 内部
↑;旧岩崎邸撞球室(ビリヤード場)。扉から覗いて撮影。普段は中に入ることはできませんが、月一回は、特別ガイドで観覧可能なようです。 個人宅にビリヤード専用の建物があるとは。 岩崎家がとびきりの富豪であった証でしょうか。この建物もコンドル作ですが、やや野性味のある「山小屋風」になっています。

 

旧岩崎庭園 パンフレット ハガキ 入場券
↑;旧岩崎邸庭園の入場券とパンフレット。 右上の絵葉書は、改修工事中期間でいただけたプレゼントです。

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まとめ

三菱財閥の本邸であった「旧岩崎邸庭園」に行ってきました。

洋館つながりという面では、以前訪問した「旧古河庭園」と近い雰囲気でした。(記事はこちら

しかも、同庭園も同じ建築家「ジョサイア・コンドル」の作品。どちらの公園・庭園も建物の中に入れますし、お茶もできます。

大人がゆっくりと(かつ安く)散策できる貴重な場所だなと思います。都内にはこのような都会の喧騒からはなれ、かつ時代もさかのぼることができるエリアが多数あります。 地方出身者の自分にとっては飽きが来ずに本当に楽しめます。

定期的に訪問して季節による雰囲気の違いもまた楽しんでみたいところです。