はじめに
物騒な世の中になってきました。
地下鉄サリン事件(1995年)から20年以上経過しましたが、今度は某国のミサイルの弾頭に搭載されてある日突然頭上で炸裂するかもしれない危機が差し迫っています。
震災に備えての防災キット(食料・水含む)は準備をしている方も多いとは思いますが、某国の化学兵器対策はどこから手を付けていいのかわかりませんでした。
田舎に住んでいれば、テロもミサイルも可能性低かったのですが、東京に来てしまった今、わかる範囲での対処法を調べてみました。
一応理系ですが、生物学・化学・医学・英語力の乏しさから正確でない記述があるかもしれません。
参照にしたサイトや文献などは最下部にあります。英語が得意な方は、元サイトを御覧下さい。
化学兵器の種類
- 血液剤;いわゆる青酸ガスと呼ばれる仲間です。シアン化水素、シアン化塩素が主。
- 糜爛剤;皮膚をただれさせる作用をもつ仲間です。ジクロロアルシン誘導体、マスタードガス類の二群が主。
- 神経剤;G剤(タブン、サリン、ソマン、シクロサリン)、V剤(VE、VG、VM、VX)が主。
- 窒息剤; 塩素ガス、ホスゲン類が用いられます。
- その他;催涙ガス、嘔吐剤、くしゃみ剤など非致死性と呼ばれるもの等があります。
以下の記事は、もっぱら「致死性」の上記前4者を中心にしています。
それぞれのガスの特徴と暴露した場合の症状
血液剤;シアン化水素、シアン化塩素 (いわゆる青酸ガス)
シアン化水素、シアン化塩素
両者ともに毒性は類似しているが、シアン化水素は空気よりも軽いため兵器として使用しても拡散・消失してしまうことからシアン化塩素(空気より重い)を使うことが多い。
ちなみにガスではない固体のシアナイドとしては、青酸ナトリウム、青酸カリウムが良く知られている。
軍隊での呼称は、シアン化水素は「AC」、シアン化塩素は「CK」。
効果は即効性である。
神経剤・糜爛剤と異なり、シアナイド(シアン化合物)は天然にも存在する物質である。例えば「キャッサバ」「ライマ豆」「アーモンド」やリンゴ・アプリコット・モモの種にもシアン化合物に代謝される前駆物質が存在するという。
また、たばこの煙やある種のプラスチックを燃焼させたときにも発生するという。
シアナイドはその他産業においても幅広く使用されている物質である。
化学兵器としては、第二次大戦中のドイツのガス室でGenocideの目的で使用されたことで有名である。1980年代のイラン・イラク戦争でも用いられたとされている。
シアン化水素やシアン化塩素は、沸点が常温付近のため、気温が低ければ液体で、高ければ気体で存在する。揮発性が高い。気化したシアン化水素を「青酸ガス」と呼ぶ。空気よりわずかに軽いため上空へ拡散する。(シアン化塩素、シアン化臭素は空気より重い)独特な「アーモンド臭」があるとされるが遺伝的にすべての人が臭気を感じるわけではないとされる。
人体には主に呼吸器(肺)から吸入されることによって作用する。細胞レベルでのミトコンドリアでのエネルギー産生(ATP産生)を停止させる。
あるいは、酸素を輸送する血液中の赤血球内のヘモグロビンに作用して酸素との結合を阻害する作用も有する。
全身の細胞まで酸素が届かない、あるいは届いたとしても細胞がエネルギーを作れないことから結局は細胞が生きていけない状態になる。
人体でエネルギー・酸素を最も要求する臓器は、心臓と脳でありダメージも大きい。
「細胞の呼吸」を止めることで結果として「我々の呼吸」も止まることになる。
症状一覧
- 頭痛、ふらつき、不穏、脱力
- 吐き気、嘔吐
- 呼吸数増加、脈拍数増加
大量に吸い込めば、痙攣・呼吸の促拍ののち、高濃度の場合は呼吸が止まり、その後心臓も止まる。
対策
有効な解毒剤が存在する。
毒性は接触(被ばく)時間とも比例するので、新鮮な空気があるエリアへ逃げることが重要である。
- ビルなど密閉空間ならば外へ出る。
- 屋外ならば発生源からできるだけ離れる。
液体状態のシアナイドが付着した場合は、汚染された衣類は脱ぎ捨てる。その際、可能ならば切り裂いて捨てる。できれば二重にしたプラスチック容器や袋にいれてそれ以上の拡散を防ぐ。
その後、大量の水と洗剤で体を洗う。
糜爛剤;マスタードガス類、ジクロロアルシン誘導体
マスタードガス類(サルファマスタード)
概要
マスタードガス(サルファマスタード)第一次世界大戦で使用された。別名「イペリット」。軍隊での呼称は 「H」「HD」「HT」等とされる。
化学式;C4H8Cl2S。常温では粘性のある透明~淡黄色の液体であるが、マスタードガスの名の通り、マスタード(からし)臭あるいはニンニク臭がするとされる。
呼吸器(肺)を介して吸入あるいは皮膚・眼から体内に入って作用する。飲み水や食品に付着したまま摂取すれば胃腸からも体内に入り込む。
タンパク質を変性させる効果があり皮膚・粘膜に糜爛(ただれ)や水疱を生じさせる。
細胞の染色体を構成するDNAの2本鎖に傷をつけることにより様々な生物学的な障害を起こす。
遺伝子・DNAに傷をつけるということは、放射線・エックス線と同じ作用であり発がん性がある。
逆に放射線・エックス線は、「がんを治療するため」に用いることもあるが、マスタードガス(アルキル化剤)も「がんを治療する」ために用いる。(マスタードガスを改良して作られたのがナイトロジェンマスタードで古典的抗がん剤である。)
毒性は、遅れて発生する。接触・吸入して数時間・数日後に症状が発生する。
気体は空気よりも重く低地に滞留する。また、ゴムを浸透するため防護服はゴム製では無効である。
自然界には存在しない人工合成の化合物である。
マスタードガスは、通常の天候では1-2日、寒冷な環境では数週以上残留することがある。
マスタードガスの毒性は、その他多くの毒ガス同様に、
- どれだけの量(濃度)で被ばくしたか
- どのルートで人体に入ったか
- どれだけの時間被ばくしたか
で大きく変わってくる。
症状一覧
症状は皮膚・目・呼吸器(肺)・消化器(胃腸)・造血器(血液)に現れる。
意外だが、マスタードガスは通常 致死的ではない とのこと。暴露し治療を受けた被害者の5%以下程度が死亡したという。
症状は、暴露後24時間以内に発症しないこともある。
- 皮膚;紅斑(赤くなる)程度の軽症のから、糜爛(ジュクジュク)から水疱形成(水ぶくれ;やけどの時と同じ)、もっとひどくなると壊死(腐ること)をきたす。疼痛は被爆直後にはない。
- 目;充血・疼痛、結膜炎・角膜損傷、最悪の場合は失明。
- 呼吸器(肺);肺に至る空気の通り道の粘膜のどこにでも障害が発生しうる。鼻から喉、気管、肺のいずれも障害が起こる。痛み・出血が起こる。気管や肺が「爛れ」れば、咳が出る。気管・肺が障害されれば崩壊した粘膜等は「痰」となって排出される。それらが肺に詰まれば呼吸困難を生じて死に至ることもある。肺が糜爛すれば「肺水腫」という状況になるが、酸素を取り込めなくなり死に至る。
- 消化器(胃腸);吐き気・下痢・便秘・腹痛等をきたす。
- 造血器(血液);数日から数週遅れて「白血球(細菌と戦う兵隊)」が減少し、免疫力が低下することで重篤な感染症をきたし死亡することもある。
- 長期的には肺や気道の悪性疾患が増加する。
対策
有効な解毒剤がないので、とにかく接触を避けることが重要。
毒性は接触(被ばく)時間とも比例するので、新鮮な空気があるエリアへ逃げることが重要である。
- ビルなど密閉空間ならば外へ出る。
- 屋外ならば発生源からできるだけ離れて高いところへ避難する。(マスタードガスは空気より重い)
液体状態のマスタードガスが付着した場合は、汚染された衣類は脱ぎ捨てる。その際、可能ならば切り裂いて捨てる。できれば二重にしたプラスチック容器や袋にいれてそれ以上の拡散を防ぐ。
その後、大量の水と洗剤で体を洗う。
ジクロロアルシン誘導体(ルイサイト、アダムサイト等)
ルイサイトの化学式; C2H2AsCl3。 有機ヒ素化合物に属する糜爛剤。
1918年に開発された。米国人化学者「ルイス」にちなんでの命名とされる。
常温では液体。液体は無色~褐色だが、不純物を含むものは褐色から黒色。気体は空気より重い。
油に似た性状で、「ゼラニウム」様の臭気を持つ。軍事的な呼称は「L」。
天然には存在しない物質で、兵器用途以外の使用目的はない物質。
マスタードガス同様に、気体を吸い込んであるいは、皮膚・眼に付着・接触することで作用する。
同じ糜爛剤であるマスタードガスと異なり、大きな違いはルイサイトは即効性があるということ。暴露してすぐに痛み・刺激を感じる。揮発性はあまり高くないためなかなか拡散せず、環境中に長くとどまる。
マスタードガス同様にゴム・繊維に浸透するため特殊な防護服が必要。
症状一覧
マスタードガスと症状は似ているが、血液の障害(免疫力の低下)等は報告がない。
- 皮膚;暴露数秒から数分で痛み、炎症を来す。発赤ののち数時間以内には水膨れ(水疱)ができる。
- 眼;炎症・痛み・腫脹、涙
- 気道;鼻水、くしゃみ、嗄声、鼻血、呼吸困難、咳
- 胃腸;下痢、吐き気、嘔吐
- 心臓;ルイサイトショック。血圧低下等
対策;ほぼ他のガスやマスタードガスと同じ
有効な解毒剤がある。
毒性は接触(被ばく)時間とも比例するので、新鮮な空気があるエリアへ逃げることが重要である。
- ビルなど密閉空間ならば外へ出る。
- 屋外ならば発生源からできるだけ離れて高いところへ避難する。(サリンは空気より重い)
液体状態のマスタードガスが付着した場合は、汚染された衣類は脱ぎ捨てる。その際、可能ならば切り裂いて捨てる。できれば二重にしたプラスチック容器や袋にいれてそれ以上の拡散を防ぐ。
その後、大量の水と洗剤で体を洗う。
神経ガス(神経剤);G剤、V剤
G剤(サリンが代表格。その他;タブン、ソマン、シクロサリン)以下主にサリンについて
概要
G剤という名前は、ドイツ(Germany)で開発されたことから命名された。
代表格は、地下鉄サリン事件でも有名な「サリン」である。天然毒ではなく人工の毒素であり自然界には存在しない。
非常に効果が出るのが早いのがこの系統の物質の特徴である。
★以下サリンの記述であるが、ほかのG剤も共通することが多い★
有機リン系殺虫剤 もG剤の広義での仲間ということになる。
サリンは1938年にドイツで発見されている。純度の高いものは常温では透明・無色・無臭とされている。蒸発・ミスト化してガスとして環境に放出される。
サリンは神経ガスの中で最も揮発性が高いため、ガス・蒸気としての接触による被害が多くなることが予想される。
空気中に放出されたサリンは、皮膚・目・呼吸器から人体に吸収される。
水に溶かすことで、触れたり飲んだりという形で接触することもある。食物に付着すれば食物として人体に胃腸から吸収されることもある。
サリンが付着した衣類などから二次的に被害が及ぶこともある。
サリンは空気より重いため高度の低いエリアを汚染することになる。
サリンの毒性は、
- どれだけの量(濃度)で被ばくしたか
- どのルートで人体に入ったか
- どれだけの時間被ばくしたか
で変わってくる。
ガス・蒸気の状態で接触すれば数秒で症状がでることもあるし、液体のものであれば数分から数時間後に症状が出ることもある。(しかし、非常に気化しやすいので症状が早く出ることが多い。)
サリンは、筋肉や腺(涙腺・唾液腺等の消化液などを分泌する器官)の活動を鎮静させる作用を破壊する。結果として、「筋肉や腺のスイッチが入りっぱなし状態」となり、筋肉のけいれんであったり、涙・鼻水・涎・汗等「体液だらだら状態」となってしまう。筋肉がけいれんし続ければ呼吸はできなくなり死に至る。
サリンは、非常に気化しやすいため、効果は早いが、半減期も早いため環境中の危険性は比較的早く消失する。
症状一覧
- 涙、鼻水、汗、よだれが大量に出る
- 瞳孔収縮、目の痛み
- 胸の痛み、咳
- 下痢・吐き気・嘔吐・腹痛
- 血圧変動、脈拍変動
- 頭痛・混乱・不穏・意識障害・脱力
- 大量に暴露されれば、意識を失い、けいれん・麻痺を経て呼吸停止し死に至る。
対策
有効な解毒剤が存在するが、病院にたどり着けなければどうしようもない。
毒性は接触(被ばく)時間とも比例するので、とにかく新鮮な空気があるエリアへ逃げることが重要である。
- ビルなど密閉空間ならば外へ出る。
- 屋外ならば発生源からできるだけ離れて高いところへ避難する。(サリンは空気より重い)
揮発性が高く、ミサイルなどで使用されるならば液体のサリンが体や衣服に付着する事態は少なそうだが、テロではありうる。
そのような場合は、液体のサリンで汚染された衣類は脱ぎ捨てる。その際、上着を首から脱ごうとすると気化したサリンを吸入する危険が高いため、可能ならば切り裂いて捨てる。できれば二重にしたプラスチック容器や袋にいれてそれ以上の拡散を防ぐ。
その後、大量の水と洗剤で体を洗う。
V剤(VXガスが代表格。その他VE,VG,VMガス)以下主にVXガスについて
概要
VXガスは1950年代にイギリスで開発された。「ガス」と名付けられているが、常温では液体。
サリン等のG剤同様に天然毒ではなく人工の毒素であり自然界には存在しない。
サリンと同じく、非常に効果が出るのが早く、同じく「有機リン系化合物」であるので、殺虫剤と構造が似ている。
VXは無味・無臭で油のような琥珀色の液体である。サリンとは異なり揮発性は低い。
イラン・イラク戦争において実戦で使用されたとされる。また、2017年のマレーシアでの金 正男 氏暗殺にも使用されたのではないかと考えられている。
VXは、皮膚・目・呼吸器(吸入する)から体内に侵入する。水には溶けにくいが、VXで汚染された水や食品から体内に入る経路もある。
VXは揮発しにくいが、高温に熱せられればガスとなって作用もする。
サリン同様に空気より重いので低いところに集まって汚染する。軍隊用語では「VX」と表される。
VXの毒性は、(サリンと同様に)
- どれだけの量(濃度)で被ばくしたか
- どのルートで人体に入ったか
- どれだけの時間被ばくしたか
で変わってくる。
蒸気・ガス状態のVXの作用は数秒で始まるが、液体の場合は数分から18時間までで表れる。
VXは神経ガスの中で最も毒性が高い。サリンと比較した場合「皮膚を介して吸収」された場合の毒性が強いことが特徴である。
例えば、目に見える量のVXが皮膚に付着した場合、すぐに洗い流したとしても死に至る可能性がある程である。
毒性を発揮留守仕組みは、「筋肉」「腺」の作用が継続し続けるという点では同じ有機リン系の新経済「サリン」と同様であるため、上述のサリンの部分をご参照ください。(筋肉縮みっぱなし、体液出っ放し 状態)
VXはサリンと対照的に、神経ガスの中で最も揮発しにくい性質である。よって、サリンと異なり環境中に長期にとどまり毒性を発揮し続ける。
普通の気候の場合、数日は影響が残り、寒冷な気候ならば数か月にも及ぶこともある。揮発しにくいので、長期の脅威となってしまうことが特徴である。
症状一覧(サリンとほぼ同様です。)
- 涙、鼻水、汗、よだれが大量に出る
- 瞳孔収縮、目の痛み
- 胸の痛み、咳
- 下痢・吐き気・嘔吐・腹痛
- 血圧変動、脈拍変動
- 頭痛・混乱・不穏・意識障害・脱力
- 大量に暴露されれば、意識を失い、けいれん・麻痺を経て呼吸停止し死に至る。
対策
サリン同様有効な解毒剤が存在するが、病院にたどり着けなければ使えない。
毒性は接触(被ばく)時間とも比例するので、とにかく新鮮な空気があるエリアへ逃げることが重要である。
- ビルなど密閉空間ならば外へ出る。
- 屋外ならば発生源からできるだけ離れて、高いところへ避難する。(VXは空気より重い)
液体のVXで汚染された衣類は脱ぎ捨てる。その際、上着を首から脱ごうとせず、可能ならば切り裂いて捨てる。できれば二重にしたプラスチック容器や袋にいれてそれ以上の拡散を防ぐ。
その後、大量の水と洗剤で体を洗うとされる。・・・が、一滴でも付着したら致命的となることもあるのに、どこまで有効なのかは分かりませんが・・・。
窒息剤(塩素、ホスゲン類)
塩素
概要
塩素は、産業や日用品にも広く使用されているが、毒性のガスでもある。低温・高圧下では液体となり、液体の状態で輸送・保存されている。
液体の塩素が解放されるとすぐに気化して地面に沿って拡がる。
塩素は刺激臭(いわゆる漂白剤の匂い)がするので、その存在には容易に気が付くことが可能である。
塩素ガスは、黄緑色をした気体で、それ自身は不燃性であるが非常に反応性が高い。
工業においては、漂白剤(紙・繊維)として、あるいは殺虫剤、ゴム製品、溶媒として広く用いられる物質である。
水道水やプールの水の消毒、産業廃棄物・汚水の消毒にも多用されている。
兵器としての塩素は、第一次世界大戦に「窒息剤」として使用されたのが始まりとされている。
塩素からの発生源に近いと危険性が増す。他のガス同様に、皮膚・目・呼吸器(肺)を通じて体内に入るし、汚染された水・食物から消化管を通じて体内に取り込まれることもある。
塩素ガスは空気より重いので、低いところに停滞する。
他のガス同様に、塩素ガスの毒性は
- どれだけの量(濃度)で被ばくしたか
- どのルートで人体に入ったか
- どれだけの時間被ばくしたか
に依存する。
人体の湿った部位(眼、口腔粘膜、喉、気管、肺)等に塩素が触れると、「塩酸」や「次亜塩素酸」となりそれらの組織を破壊することになる。
症状一覧
- かすみ目、涙
- 皮膚の症状(焼け付く痛み、発赤・びらん)
- 鼻・喉・目の焼ける痛み
- 咳、喘鳴、胸部圧迫感、呼吸困難…致命的になる肺水腫は少し遅れて出現する。
- 吐き気、嘔吐
対策
他のガスと共通する点であるが、毒性は接触(被ばく)時間とも比例するので、とにかく新鮮な空気があるエリアへ逃げることが重要である。
特効薬的な解毒剤は存在しない。
- ビルなど密閉空間ならば外へ出る。
- 屋外ならば発生源からできるだけ離れて、高いところへ避難する。(塩素は空気より重い)
液体の塩素で汚染された衣類は脱ぎ捨てる。その際、上着を首から脱ごうとせず、可能ならば切り裂いて捨てる。できれば二重にしたプラスチック容器や袋にいれてそれ以上の拡散を防ぐ。
その後、体・目を十分な量の水・石鹸で洗う。(眼は水のみで)
ホスゲン・ジホスゲン
概要
ホスゲンはプラスチックや殺虫剤製造に多く用いられる産業用化学物質である。
室温では毒性の気体(ガス)状態であるが、塩素同様に低温・高圧下においては液体となりその状態で輸送・貯蔵される。塩素と同じく、液体は大気圧・常温下に開放されれば速やかに気体となり地を這いながら拡散する。
ホスゲンは、無色(あるいは白色~淡黄色)で、低濃度の場合は、「刈りたての干し草の匂い」あるいは、「青トウモロコシ(未熟な)」の心地よい香りがするが、高濃度の場合は、きつく不快なにおいとなる。
ホスゲンそのものは不燃性であり、軍隊用語では「CG」と表される。
第一次世界大戦で窒息剤として使用され多数の死者を出した。自然界には存在しない人工の化合物であり、空気よりも重いため、塩素同様に低い場所に滞留する。
塩素同様、ホスゲンからの発生源に近いと危険性が増す。他のガス同様に、皮膚・目・呼吸器(肺)を通じて体内に入るし、汚染された水・食物から消化管を通じて体内に取り込まれることもある。
他のガス同様に、ホスゲンの毒性は
- どれだけの量(濃度)で被ばくしたか
- どのルートで人体に入ったか
- どれだけの時間被ばくしたか
に依存する。
ホスゲンも塩素同様刺激性があり、最終的には「塩酸」や「次亜塩素酸」を発生させてそれらの組織を破壊することになる。
症状一覧 塩素のそれと類似する
- かすみ目、涙
- 皮膚の症状…火傷や凍傷に似る
- 喉・目の焼ける痛み
- 咳、呼吸困難…致命的になる肺水腫は少し遅れて出現する。白色・ピンクの痰
- 吐き気、嘔吐
- ホスゲンの注意点としては数日たってからの遅発性の症状出現があること。
対策
他のガスと同様である。毒性は接触(被ばく)時間とも比例するので、とにかく新鮮な空気があるエリアへ逃げることが重要である。
特効薬的な解毒剤は存在しない。
- ビルなど密閉空間ならば外へ出る。
- 屋外ならば発生源からできるだけ離れて、高いところへ避難する。(塩素は空気より重い)
低温下では液体のホスゲンで汚染された衣類は脱ぎ捨てる。その際、上着を首から脱ごうとせず、可能ならば切り裂いて捨てる。できれば二重にしたプラスチック容器や袋にいれてそれ以上の拡散を防ぐ。
その後、体・目を十分な量の水・石鹸で洗う。(眼は水のみで)また、数日は慎重に様子を見る必要がある。
致死性化学兵器の物理特性や毒性一覧(主に米軍の資料から)
揮発性;値が大きいほど蒸発しやすい。
LCt50;毒性の指標です。半数が致命的となる濃度。数値が小さいほど危険。
例えばH剤の場合、吸入では1000mg-min/m3となっており、一立方メートルあたりマスタードガスが1000mg=1gふくまれる濃度の空間に100人が1分間暴露されると50人が命を落とすということになる。
大抵の物質の毒性(危険度)は同じ濃度ならば、 肺から吸った場合>皮膚から吸収される場合 になっていることも重要なポイントです。
特に、神経剤G剤は、肺から吸った場合はごく低濃度でも死に至ってしまいます。
また、VXの皮膚からの危険度はとびぬけて高いことが分かります。金正男の暗殺もVXであったと言われていますが、なるほどです。・・・が、手に触れた実行犯はなぜ生きているのでしょうか・・・。
化学兵器による攻撃・テロにどうやって備えるか
逃げる
上述の如く気づいたら「できるだけ離れる。」ことが重要です。もしかすると、現実的にできる対応はこれだけの可能性もあります。
特に「臭い」のあるガスの場合は、早く気付くチャンスがあります。
- 屋内にいるなら屋外へ逃げる
ほとんどの毒ガスは空気よりも重いので、
- 屋外へいるなら基本的に高いところへ(シアン化水素を除く)逃げる
防護服
米国の環境保護局(EPA)における防護服の防護レベルはA~Dの4段階に分類されています。
- 防護レベルA…最大限の吸入・眼球・皮膚防御が必要な場合。
陽圧のフルフェイスのSCBA装置(ダイビングのスキューバはSCUBAですが、タンクから空気が供給される意味では同じです。)、完全密閉の化学・蒸気防護スーツ、グローブ、ブーツ
- 防護レベルB…呼吸器(吸入)に対しては最大の防御が必要だが、経皮的なものに関してはレベルAよりも要求度が低い場合
陽圧のフルフェイスのSCBA装置、フード付きのつなぎの化学防御服、グローブ・ブーツ
- 防護レベルC…空中の危険物質の種類や濃度が判明しており、適切な空気浄化装置がある場合。
フルフェイスのガスマスク、化学耐性のグローブ、帽子、使い捨ての化学耐性ブーツ、避難用呼吸保護具 等
- 防護レベルD…最小限の防護
手袋、繋ぎ、安全眼鏡、フェイスシールド、化学耐性ブーツ
参照;United States Environmental Protection Agency>PPE(Personal protective equipment)
上述の通り、蒸気が皮膚を通じて吸収されるガスも多いので、皮膚・肺両方から吸収もすべてを遮断しようと思えばガスを通さない防護服と、安全な呼吸用の空気を供給するボンベのセットが最強です。つまり防護レベルAが必要ということです。
ただし、かなり重装備であり日常的に持ち歩くことは困難です。(VIPであれば、自宅・勤務先・通勤用の自動車などに装備しておくことも可能かもしれませんが。)
↑;総務省消防庁;化学災害又は生物災害時における消防機関が行う活動マニュアル より引用 防護レベルA。
一応、オンラインで購入できますが・・・。一般向けではなさそうです。とても高価です。これに加えてSCBA(酸素ボンベと吸入器セット)が必要です。
これは服の内部の圧力が外気の圧力より常に高くなっているので、万一微細な穴が開いていても、ガスが服の内部に入り込まないようになっています。
液体状の物質の付着を防ぐだけでなく、ガス・蒸気・気体の侵入も防ぎます。しかし、救急隊でもない限りこれを緊急時に素早く装着することは極めて難しい気がします。もちろん自前ではとても購入するお金もありません。
戦場においても兵士全員がこのレベルA防護を装備することはおそらく現実的ではないでしょう。
アメリカ軍の生物・化学兵器の資料を参照すると、経皮吸収がある化学兵器に対応する装備レベルとしてMOPPが紹介されていますが、これはEPAのレベルでいうと防護レベルC程度と考えられます。
↑;SCBA(酸素ボンベ)は装着されていません。いわゆるガスマスクです。 EPA防護レベルCと考えられる。
これぐらいの装備になってくるとようやく現実的に手が届く(?)レベルになってくると思います。
ただし、高濃度の糜爛剤・神経剤のガス(蒸気)に接触すれば防ぐことは不可能です。
日本の会社でも販売しています。
- シゲマツ公式サイト;http://www.sts-japan.com/
- 興研株式会社公式サイト;http://www.koken-ltd.co.jp/product/safe/protection/
- 旭・デュポン フラッシュスパン プロダクツ株式会社公式サイト;http://www.tyvek.co.jp/
- 3M公式サイト;http://www.mmm.co.jp/ohesd/index.html
- アゼアス株式会社公式サイト;http://www.azearth.co.jp/index.html
各社のサイトには、化学物質の耐透過性に対する説明があるので、性能を考慮して選択することになると思います。サイトによってはオンライン販売をしているところもあります。
この分野では特殊繊維で有名なアメリカデュポン社の素材である「タイケム」シリーズが使用されていることが多いようです。
手軽に購入できそうなシリーズとしては、
- タイケムF
- タイケムC
の二種類があり、それぞれタイケムF Mサイズで5000円前後、タイケムC Mサイズで3000円前後と、購入できなくはないお値段です。
防毒マスク
ほとんどの毒ガスは、経皮的(皮膚からも)吸収されることが分かっています。
つまり、ガスマスクだけでは皮膚からの侵入を防ぐことは出来ません。
しかし、防毒マスク単体にもそれなりの意義があると思われます。その理由は以下のようなものです。
- 経皮吸収(皮膚を介した吸収)で死に至る濃度は、吸入で死に至る濃度よりもかなり高いことが多い。つまり、吸入で肺から入ってくる毒ガスだけでも防ぐことが出来れば、経皮吸収では、よっぽど高濃度のガスにさらされない限り死亡に至ることはない可能性がある。
- 少しでも危険なエリアからより遠くに離れる時間を稼げる可能性がある。
防毒マスクの仕組みと種類;化学兵器・毒ガスへの対応は?
顔を覆うマスク部分を「面体」と呼びます。面体の外側の口のあたりに着ける円筒形の装置が、毒ガスを中和・除去・吸着等して取り除く「吸収缶(キャニスター)」です。
ガスの種類に応じて「吸収缶」の種類を変えて使う必要があります。例えば、以下に「シゲマツ」の防毒マスクの吸収缶の一覧表を引用しますが、全てのガスに万能で対応する吸収缶はありません。
そういう意味でも、防護服のところでふれた「ボンベ式」の呼吸器はどんなガスが相手でも関係ないことになりますので、やはり最強です。
日本では、防毒マスクは一般的には、産業衛生分野で使用されることが多いので、工場等の産業・生産現場で暴露される危険がある物質に対応する吸収缶がラインナップに上がっています。
上記の一覧によると、シアン化水素(青酸ガス)や塩素あるいはヒ化水素(はばっちり対応している吸収缶がありますが、産業用で使用されない兵器専用の物質のガスは一覧表に名前すら出てきません。神経剤や糜爛剤に対応している吸収缶はどれなのかはこの表ではわかりません。
ここからはあくまでも推測ですが、神経剤・糜爛剤いずれも「有機ガス」と理解すれば有機ガス対応の吸収缶が使用可能ということになるのかもしれません。
が、ネットで各社のサイトを検索してもハッキリとした記載を見つけることは出来ませんでした。
また、神経剤は「有機リン系」農薬(殺虫剤)と基本的な構造が似ていると考えれば、農業従事者が農薬散布時に使用するガスマスクや吸収缶が分かればもしかすると流用できるかもしれません。
これも残念ながら断言した記述は見つからなかったのですが、「有機ガス用」の吸収缶が有用とするものも見つけることが出来ました。
↑;シゲマツ株式会社サイトから
ただし、やはり公的なサイトで、「有機リン系には有機ガス用吸収缶が有効です。」という記述を見つけることは出来ませんでした。
また、吸収缶は基本的に使い捨てです。一定濃度・一定期間使用すると吸収缶の効果は失われてしまします。 高濃度のガスの環境下では効果を維持できる時間は短くなります。
以上、日本の民生用のガスマスクで化学兵器に対応するのは確実性が低いですが、やってみるならば
- 口だけを覆うタイプではなく、フルフェイスの面体で眼もガード・・・眼からの吸収が非常に多いとされるガス(神経剤)対策になるのでは。
- 吸収缶は、「有機ガス用」をメインに「ハロゲンガス用」「シアン化水素用」「リン化水素用」を揃える。
という策が考えられるかもしれません。しかし、某国が、「今から○○ガスをミサイルに乗せて打ちますよ。」とは言ってくれないでしょうから、どの吸収缶を装着するのかはイチかバチか的になってしまうと思います。
【シゲマツ製での例;フルフェイス式面体直結型+吸収缶(有機ガス用)】
【吸収缶(ハロゲンガス用)…塩素ガスを想定して】
国産のNBC兵器用のマルチガス対応吸収缶が欲しいところです。
BC, NBC,毒ガス、化学兵器対応マスクは
日本の会社 興研株式会社 で市民向けのマスクが販売されています。
↑;興研株式会社公式サイトより
また、3M製品で「NBC対応」を謳う「吸収缶」と対応する「面体(マスクのお面部分)」が見つかりました。
↑;帝国繊維株式会社公式サイトより。 米軍MILスペック対応とあります。
こちらも、一般市民用です。簡易的なものかもしれませんが。
これは、子供用のもの。
日本では、なかなか、NBC対応を謳っている本格的な吸収缶は見つかりません。
やはりこの辺りは、戦争から遠い平和な日本では仕方がないのかもしれません。
軍隊用、軍隊規格のガスマスクや吸収缶;海外のサイトから輸入する
CBRN, US, gas mask あたりのワードで検索を掛けると、アメリカでは結構商品が出てきます。
↑;どれも40ドル付近です。基本的にはNATO軍、米軍共通の40mmという規格のようです。おそらく電球のソケットのように面体本体に吸収缶をねじ込む感じで装着するのだと思います。
また、アメリカのAmazonでも「CBRN」「Gas mask」「C2A1」等で検索すると商品は出てきます。日本から購入が可能なのかは現時点では不明ですが、一つ40ドル程度でした。 この吸収缶が装着可能なガスマスクもセットで購入する必要があります。
輸入ということになると個人には少しハードルが高いですが、英語に自信のある方は海外での購入という方法もあると思います。ただし、外国人の顔の大きさや形状を考えると日本人の顔にフィットするのかは少し不安があります。
軍用品を扱う日本のショップで探す
楽天、Yahoo、Amazonなどで、「NBC」「CBRN」「C2A1」等と検索すると少ないですが有りました。
解毒剤
解毒剤がある毒ガスの場合は、早く医療機関にたどり着いて投与を受けることが大事になります。
しかし、各種解毒剤を幅広く大量に備蓄している医療機関はわずかです。ミサイルやテロ等で大量の被害者が発生した場合の対応は厳しい可能性が高いと考えられます。
まとめ
致死的な兵器として用いられる化学物質(化学兵器;毒ガス)をざっと調べてみました。
- 分子量…ほとんどの毒ガスは空気より重い。
- 揮発性…高い物ほど残留性は少ない。
- 人体への吸収経路の違い…多くの物質が「肺」から入る場合が危険度が高い。
- 傷害の出る時期の違い;数秒で症状がでるものから、数時間・数日後に症状が出るものまである。
ガスの種類によって上記のような特徴がありました。
いずれも猛毒で、吸い込まなくても蒸気が皮膚や目に接触するだけでも死に至る物もあることが分かりました。
つまり、肺に入る空気だけでなく、目や皮膚に触れる空気もシャットアウトしなければ完全に防御することは困難なようです。
一方、完全な防御には、気密式のスーツと酸素ボンベ(SCBA)が必要であり、高価かつ重くかさばるため一般市民がそろえるのは難しそうです。
現実的な線としては、
- 化学物質の浸透耐性をもつスーツ+ガスマスク(フルフェイス)
- ガスマスク(フルフェイス)のみ
あたりではないかと感じました。
いずれのガスも、肺に入ると低濃度でも致命的になってしまう一方、皮膚経由ならば致命的になる濃度は比較的高めです。それならば、ガスマスクだけでもかなり程度意味があるのではないかと考えます。
ガスマスクも大まかに分けて以下の三つがあります。
- 一般市民向けの簡易的なもの
- 本来産業の現場で衛生上、労働者が装着するようなもの
- 軍用の規格品
それぞれ、値段の違いを含めてメリット・デメリットがあると思います。
いずれにせよミサイルやテロが起こる可能性と、準備にかかるコストを天秤にかけて考えなければなりません。
難しいところです。先立つものがあればすぐにでも家族全員分のマスクと防護服を揃えたいところですが。
参照
- 米国CDC公式サイト;アメリカの疾病予防センター。生物・化学兵器によるテロ等への対応の記述が充実している。
- 総務省消防庁公式サイト;消防・救助技術の高度化等検討会の「化学災害又は生物災害時における消防機関が行う活動マニュアル
- 米国陸軍公式サイト;Potential military chemical biological agents and compounds;2005年度版がPDFで入手できます。検索窓からPDF探せます。
- 米国環境保護局;United States Environmental Protection Agency>PPE(Personal protective equipment)
2017年9月追記
核爆発から身を守る記事を作成中に見つけた、アメリカ合衆国国土安全保障省の一般市民向けのウェブサイト(https://www.ready.gov/)からいくつか化学兵器対策について気にある記載があったので掲載します。
ready.govより
- 化学兵器に備えるには、一般的な災害キット(非常持ち出し袋みたいなもの)に加えて以下の物が重要。
- Duct tape(ダクトテープ;ホームセンター等で販売されている。)
- Scissors(ハサミ;大体どこのご家庭にも。)
- Plastic to cover doors, windows and vents(ドアや窓や換気口・吸気口を覆うプラスチック(ビニールシート?))
- 発生源がわかっていれば、とにかく離れることだが、もし「そのまま屋内に待機するように指示された場合は」、
- ドア・窓を閉めて換気扇・換気口・エアコン等も閉じる。
- 非常持ち出し袋とともに、最も内側の部屋に逃げる。ダクトテープとプラスチックシートで、その部屋を目張りする。
- ラジオ・テレビ・ネットで情報を得て指示を待つ。
ちょっと大掛かりですが、気密性の高いマンション暮らしの場合は、しっかり目張りすれば少しは気休めになるのかもしれません。
プラスチックシートの用途は想像しにくいですが、切り取って窓やドアごと内側から覆いかぶせてしまうということだと思います。
さらにもう一つ気になる記載がありました。
READY.gov | Page Not Found
これもアメリカ合衆国国土安全保障省の一般市民向けのウェブサイト(https://www.ready.gov/)からですが、
「ガスマスクの使用は一般市民向けには推奨しない。」と・・・・!!!。
数行しか中身はありませんが、不適切の装着や、偽りの安心感(マスクをつけていれば安心っていう油断?)の害の方が一般市民にとっては大きいと考えているようです。
確かに、フェイスマスクをぴったりフィットさせるのはかなり難しいと思います。救急隊の隊員の方や医療職の方から、「患者さんにマスクをフィットさせて呼吸させるのは難しい。」といったようなことをよく聞きます。
ただし、「但し書き」で、今後の研究次第では推奨はかわるかもみたいなことも書かれています。
・・・うーん。どうしたものだか。マスクをつけるために右往左往するぐらいならば、さっさと逃げろってことなんでしょうか。このあたり、日本の消防とか防衛省関連の情報があればいいのですが、見つけることが出来ませんでした。
さらなる参照;Are You Ready? An In-depthe Guide to Citizen Preparedness.
アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁(FEMA)作成の市民向けのガイドラインです。
テロ(NBC攻撃)だけでなく、幅広く災害に対応する方法が記載されています。
左;表紙 中;自然災害>津波対策の章 右;テロリズム>核爆発の章