田舎から都内へ;「私立中学から公立中学への転校」と「公立小学校から都内私立中学の受験」

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はじめに

40歳過ぎてから、地方から都内に転勤・転居。

自分が先行単身赴任し、遅れて家族が引っ越してきました。

子供達も転校・受験を経験することに。

  • 上の子供;田舎の6年制私立中学から区立中学への転校。
  • 下の子供;田舎の公立小学校から都内私立中学の受験・入学。

を経験しましたので、まとめておきます。

 

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地方の私立中学から公立(都立)中学への転校;上の子供

せっかく入学したばかりの私立中学を辞める事に。

自分が転勤・転居を決心した時、上の子供はちょうど田舎の私立中学に入学したばかりの中学一年生でした。

せっかく、受験勉強と入試を突破したのに、転校はかなり嫌がるのではないかと心配しましたが、我が家の場合は結果としては問題なしでした。

  • 入学した某私立中学は表向きの宣伝とは異なり、実際は「学級崩壊レベル」のダメダメっぷり。
  • 各種学内不祥事(命に係わるレベルの事案)の発生があっても情報公開を全くしない。忘れた頃に事後報告。
  • 結果として、われわれ親だけでなく通学している本人も「友達と別れるのは少し寂しいが、これでは勉強にならない。」との発言。
  • そんな状況下での転校・・・本人「まあ、仕方ないかな。」とあっさり納得。

転居決断の約1年半後の新3年生の1学期のタイミングで公立中学に転校し、中学三年生の一年間を高校受験のための準備期間とする方針を決めました。

 

転校先の公立(都立)中学の検索と初回面談まで

まず新居マンションの住所が確定したタイミングで、同住所が学区になる中学校を検索。

「○○区○○町」「中学」あたりで検索するとすぐに中学校の名称は判明しました。

転校する前年の秋でしたが、念のため、先行して生活を始めている自分が区役所に出向いて(といっても、住民票を移す手続きの際に窓口で聞いただけですが)確認。

「役所としては実際に本人(子供)の住民票が移る際(転入する際)に、また案内しますので。」とのこと。

「ただ、あらかじめ中学には電話をして相談はしておいてください。」と告げられました。

 

それに従って、新年度開始の約2か月前に学校に電話しました。

「一度面談を」とのことだったので、アポイントを取ってまずは自分だけで出向きました。

教頭先生と学年主任の先生が対応していただき、どういったいきさつでの転校なのか(いじめ等が原因ではないのか)等を、雑談の延長のような形で聞いていただけます。

  • 転校生向けの冊子というものは無いので「新一年生」向けのパンフ(制服、体操服、靴、鞄等学校指定品とその購入場所、PTA活動概略等を記したもの)を頂きました。
  • 早急に前の学校から「在学証明書と教科書給付証明書」をもらって持参するように指示を受けました。(前の学校に連絡すると、すぐに郵送してもらえました。受領次第提出しました。)
  • 行政上の手続きはやはり「実際に転入届を出した時」に「教育委員会」で行ってくださいとの指示。
  • 当方からも「何クラスあるのか?」とか「転入生の数は?」とかを少し質問しました。
  • 次回、学生本人も含めた面談を予約(三月下旬近くの午後)を再度設定してその日の面談は終了。

通っていた私立中学への退学の意思表明と手続き

約1か月半前に、担任に連絡して退学・転校の意思を告げました。

理由を聞かれましたが、正直に上記理由を告げることはせず、「転勤のため」と話して無難にクリア。

その後、本人にも簡単な意思確認があったようですが特に問題なく終了。

学校で掛けていた障害保険等の解約手続きの書類などいくつかを記入・返送して終了。

終業式前日に引っ越したので、式には参加せずに学校を去りました。

 

実際の引っ越し日以降から二回目面談まで

いよいよ本人たちの引っ越し日。

その当日午後に、区役所で転入手続きを実施。それと同時に転校の手続きも区役所内で同日中に終了しました。思っていたより簡単に終了。

そして今度は本人と妻の2名で学校へ出向きます。

何か特別なことがあるのかと思いきや、「顔合わせ的」な感じで校内の簡単な案内などしてもらい終了。

始業式の時間、持参物等を教えてもらって第二回面談も終了。

制服や体操服を急いで販売店巡りをして揃えました。新入学シーズンでしたが、制服、体操服すべて始業式までには揃えることができました。

 

始業式以降

「始業式も保護者同伴で来ることが望ましい」という事だったようですが、保護者だけに対しての特別な話があるわけでもなく、結局送迎しただけで終了。 他の転入生の中には、一人で登校していた子供もいたようです。本人は特に臆することなく通学しています。 給食が始業数日後には開始になりました。

学習進度は田舎とはいえ中高一貫校だったので、基本的には都立校よりは進んでいましたので大きな学習面でのハンディキャップはありませんでした。

 

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地方の公立小学校から都内私立中学へ受験・入学転校;下の子供

もともと地方の私立中学受験はするつもりでした。

転勤・転居を決めた時、下の子供は小学校5年生。

そもそも田舎の私立中学を受験するつもりでしたので、塾には通っていました。

しかし、上の子供と同様に慣れ親しんだ地元を離れるのはつらいのではないかと心配していました。

が、上の子供同様に本人たちはケロッとしたもので

「どの中学に入学したって、ほとんど知らない子たちでしょ。」と。(強いな、お前たち・・・。)

 

数ある私立中学から受験校を絞りました。

正直、自分たちが暮らしていた地方では進学校はほぼ一択だったので思考停止していましたが、「沢山ある東京の私立中学」からどうやって選べばいいのかが分かりません。

一方、上の子供の前例があり学校のパンフレットとかマスコミに取り上げられているキラキラした面などというものは、あまり信用ならないものだと疑心暗鬼になっていました。

そんな状態での全く知らない土地での学校選び。我々親の優先事項として以下の要素を挙げました。

  • 共学がイイ。
  • 東京都内といっても「新居から無理なく通える範囲」で。

 

日能研の模試でもらったおまけの下敷き

↑;これは全国展開する某大手進学塾の模試を受けた際に頂いた「下敷き」。「首都圏 私立・国立・公立中高一貫校 路線マップ」なるもので、土地勘のない我々にとっては非常に役立ちました。 (ここにも出てきますが、「進学レーダー」という中学受験雑誌も参考にしました。)

 

こんな風に学校を絞っても、まだまだたくさんの学校が引っかかってきます。公式サイトを見たり、口コミを調べたりしますが、とにかく雲をつかむような作業。

で、結局はこんな感じで選んでいきました。(ポリシーない感じです・・。)

  • 上記条件で、偏差値的に学校を選ぶ。(チャレンジ、本命、滑り止め 的にチョイス)
  • そのうえで、一応学校の教育方針や子供の希望(制服の好み等)も考慮。
  • 都立六年制(小石川、桜修館等)も選択肢に。

最終的に「私立2校」(コースや受験日の違いで5回程度受験のチャンスはあり。)と「都立六年制1校」に受験校を絞りました。(不合格の場合は、上の子と同じ公立中学に行くことにしました。)

 

受験勉強と対策

さて、目指す学校は決まりましたが、実際の受験勉強も大変でした。

下の子供が通っていた塾は、一応到達度別(成績別)のクラス編成ではありました。

しかし、先生方も遠く離れた東京都内の中学の入試の傾向まではもちろんご存知ありません。

そんな中でも、普通の授業に加えて過去問の添削を特別にして頂けたことはとてもありがたかった・・・。(結構手間がかかるの作業だったと思います。)

他に実際やってみた対策は以下のような感じです。

  • 定期的に全国レベルの模試を近くの(といっても遠い)政令指定都市まで受けに行く。(現在のレベルが分かるという本来の目的もありますが、保護者は子供が試験を受けている間に開催される各種説明会から情報を得ることもできます。)
  • これまた地方の書店には全く売っていない各種学習参考書を探しに出かける。
  • そしてよく言われることですが「母親」が様々なサポート(直接の勉強の指導、スケジュール管理、生活管理)を徹底する。・・・自分の出番はほとんどなし。ダメな父親でした・・・。

といったところでした。約1年半、とにかくよく頑張っていたなと思います。

 

各学校の願書取り寄せ、入試説明会等への出席、出願

以前記事にも書いたのですが、合同説明会みたいなものも各社主催で都内で結構開催されています。 各学校のブースが一同に集合するので、これも地方在住の人間にとっては非常にありがたい機会でした。

参照;一般財団法人 私立中学高等学校協会  東京私立中学 合同相談会

参照;ベネッセ公式サイト ベネッセ進学フェア

 

さて、受験する学校のサイトを定期的に見ていると「入試説明会」とか「体験授業」といったイベントが大体開催されています。

東京で先行して単身赴任していた自分が出席したものもあれば、体験授業等は本人も上京して実際に出席したこともありました。

(過去記事;東京私立中学合同相談会@東京国際フォーラム に行ってきました。

こういった説明会は、親にとっても子供にとってもやはり「モチベーションの維持」に有効でした。(もちろん、繰り返しですが学校は「いいところ」「キラキラした面」しか見せたがらないと思いますので、100%の信頼というわけではないですが。)

都立六年制の中学は、直接願書をもらいに行きました。(かつ、当日に説明会があり、都内非在住者等は個別に相談を受けることになっていました。)

一方ほとんどの私立中学は郵送で願書がもらえました。

また、インターネットで出願が完結する学校も最近は多くなっていて、実際地方から受験する身としては非常にありがたかったです。

こういったイベントを通して実際に学校の立地、雰囲気、ハード面等を確認できたのも有意義でした。地図では分かりにくい通学路の問題(坂道で結構大変とか、歩道がせまいとか)も歩いてみればよく分かります。

 

願書記入・提出;地方在住者のデメリット

自分の場合、幸い自分ひとりで先行して単身赴任していたので住民票が東京都内にありました。

子供の現住所が都内でない点で、追加の文書を必要としましたが、私立中学に関しては非常に簡素で、特段困ったことはありませんでした。

しかし、提出書類に関しては、六年制の都立中学の方が厳しく必要書類の数は多くなってしまいました。

都立6年生 都外からの入学
↑;某都立中学の募集要項から。出願の前に「出願についての承認」を学校長から得る必要があります。

 

都立6年生 募集要綱 応募資格審査必要書類等
↑;資格審査に必要な書類の一覧表。結構あります。

 

さらに入学後には住所変更届を提出する必要があったりと、地方在住者の場合手間自体は少し増える事は確かです。

 

受験直前から入試日

さて、地元の小学校は数週間前からお休みをいただき子供は上京。生活習慣を乱さないようにしつつ勉強をつづけました。

数日前には、受験校への交通のシミュレーションを実施。実際に、試験の時間帯に電車と地下鉄を乗り継いで確認しました。

 

試験の日程は恐ろしくハードで、一日に2試験(別の学校だったり、同じ学校の別コースだったり)を受験する日も複数あったりする予定でした。

 

そして、試験当日。 地元の塾の先生が前日夜の塾授業終了後から○○時間かけて上京してくれており、当日朝、会場で最後の応援をしてくださいました。

某有名塾のような大量の応援団というわけではありませんでしたが、なんともありがたい話。涙が出そうなくらい感激でした。

「朝から試験。素早く食事をとって移動。また午後から試験。帰宅。寝る。」を数日繰り返しました。

驚いたのは、試験結果(合格発表)の速さです。

子供が受験した私立中学は2校とも翌日には合否が判明しました。なので、日によっては、子供が受験している間に保護者が合格発表を見に行くといったこともありました。 このシステムのおかげで、受験予定ではあったものの第三希望であった都立の中学は最終的に受験せずに体力温存という形になりました。

 

合否とその後の入学準備

結局、チャレンジレベル校は不合格

しかし、本命だった中学のとあるコースには合格することができました。

合格発表と同時に合格証明書や入学手続きに必要な一式の書類や振込用紙等を受領しました。

本人も、チャレンジ校の不合格の通知を聞いた際にはさすがに少し落ち込んでいましたが、一晩経てばケロッとしていて、もはや頭の中は入学後の生活一色に。

試験後、数日は東京に残って母親とともに少しはリフレッシュしたようでした。

在京の間に入学手続きや入学金等の振り込み、制服の採寸等を済ませて一旦地方へ帰っていきました。

 

入学式以降

さて、いよいよ入学式当日です。

学校は、都内の結構な一等地にあるのですが、出席する保護者は特に華美な様子もなく一安心。 田舎者オーラが漏れ出していやしないかヒヤヒヤしましたが、何とか無事終了。(というか、保護者は他の保護者なんか目に入っていませんけどね、普通・・・。)

以後も、楽しそうに通学している姿を見るととりあえずはホッとしています。

 

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まとめ

自分の転勤・転居に伴って、子供も学校を移ることになりました。

田舎から都内への転校や受験を経験してみての感想は以下のようなものでした。

  • 公立中学への転校は簡単(義務教育ですから当然ではありますが。)
  • 私立中学への転校(編入)は、一部の学校を除いて現実問題としてほぼ道は閉ざされているので、基本「受験・入学」しか手はないです・・・。
  • 田舎者が都内の私立中学へ入学する場合・・・情報がやはり足りないので、準備期間は多いに越したことはない。地方でも同じだが遅くとも1年前からの準備は必要。有名進学校等を目指すならばもっと早く対策が必要でした。
  • 地方の塾ではやはり都会の大手進学塾には情報面ではかなわないし、レベルや志望校別の授業等も望めない。それを補う工夫が必要なのですが・・・。
  • 少なくとも様々な手続きの場などにおいて「地方出身者」が小馬鹿にされるような事態は全くありませんでした。(怖がり過ぎか??) 私立・公立を問わず窓口においては、むしろ個別に親身に色々と教えていただきました。

まあ、都会の受験生と正面から戦うことはどのみち難しかったのかもしれません。しかし、とても良い経験をさせてもらいました。子供たちには、田舎・都会それぞれの学校の良さを楽しんでくれればいいなあと思います。

機会があれば記述してみたいですが、田舎の自然やのんびりした生活はない代わりに、多くの選択肢があることはやはり魅力です。子供の教育環境に関して言えば、恐れずに上京してきて良かったと思います。