はじめに
40歳(をとっくに)過ぎて歯科矯正を始めることにしました。
- 四十過ぎて歯科矯正って大丈夫なのか・・・。
- 実際どんな感じなのか。
あまり読んでくれている方の参考にならない予感もしますが、記録代わりに記事を残そうかと。
長期になりそうですが、暇があれば書き続けていきたいなと思っています。
前回は、自分の治療のきっかけとなった娘の治療開始までの記事でしたが、
今回は、自分が矯正治療を決心し受診するまでを記してみます。
歯科矯正記事関連のもくじ(Index)記事はこちら; これまでの歯科矯正関連記事の一覧です。
幼少期の矯正治療の挫折の思い出
さて、40をとっくに過ぎた自分ですが、幼児期の頃の写真をみると、ニカッと気持ちよく口を開けて笑っています。
しかし、永久歯となってからの歯並びはガタガタ。思春期以降、写真では笑わなくなっています。
特に、上顎の前歯2本(よく見ると4本)は前方に高度に突出しており、いわゆるひどい「出っ歯」です。
それだけでなく、下顎の歯もかなりあっち向いたりこっち向いたりしており見た目は悪い。
こんな状況ですので、親も「これは放置しておけない。」ということで小学生のころ歯科医院に連れていかれた記憶があります。
当時の医院の先生方というのは、今のように優しい先生は少なく非常に「怖い存在」でした。
歯医者ってだけで嫌なのに、さらになぜか常に怒っているような態度。
そして、小さいころの記憶でもっとつらかったのが、「歯型取り」のときの苦痛です。
喉に異物にモノが当たっ時のあの「オエッ―」ってやつです。
型が固まるまでの数分(実際は数十秒だったのかもしれませんが)が、まさに拷問のような時間・・・。
・・・。
・・・。
小学生の自分は通院しなくなってしまいました。
小中学生のころはその見た目通りあだ名をつけられたり、某出っ歯の有名タレントの名で呼ばれたりもしましたが、やがて高校以降は少なくとも面と向かって「ちょっとそこのあなた、歯が出てますよ。」とは言われなくなったこともあり、放置していました。
時は流れて30年・・・。今更歯科矯正への決心。
さて、それなりにひどい見た目のコンプレックスを抱えていましたが、年齢とともにどうでもいいこととなっていました。
とはいえ、地方在住の頃に、たまに歯石のクリーニングなどで歯科医を受診すると、
「あー、この前歯ね。口、閉じないでしょ。乾燥もするし歯肉炎になりやすいんですよね。」
といったことは言われていました。だからと言って、歯科矯正を勧められるわけでもなかったので、やっぱり放置。
が、子供たちの歯並びも同様に悪いことに気が付き、子供の歯科矯正を契機に先生に尋ねてみると、
前回記事(40歳過ぎからの「歯科矯正」その01; 子供たちの歯科矯正開始) でも記載したのですが、
「それを放置すると将来的には歯周病からの歯の脱落の可能性もありますね。」というお言葉。
「歯が抜け落ちる!!」
若干心が揺らぎます。
一方、昔から少し気になっていたのは
- 欧米では歯並び悪い人は、「教養のない、貧困状態で育ち、知性に欠ける人扱いを受ける。」
みたいな話をどこかで聞いたことです。(実際、教養はあんまり・・・、知性・財力も・・・。)さらには、
- 八重歯を筆頭にひどい歯並びは、モンスターとかバンパイア的に見える。
まあ、これはかなり偏見があるし文化的に異なる日本で言われてなあとも思います。
なので、「ここは、欧米じゃないし!!(怒)」みたいに思っていたわけです。が、やはり自分を少しでも良く・大きく見せたい見栄っ張りな心・・・。ずっと引っかかってはいたみたいです。
で、ウニャウニャと優柔不断なこと言っていたら、最後の一押しはやはりこの人、我が家の裏ボス・・・。
「あなた、歯が落ちるって・・・出っ歯も微妙だけど、歯抜けもマヌケすぎる。治療やりなよ。」
・・・
・・・
「はい。仰せの通りに。」
ということで、治療してみることにしました。
初診~精密検査~結果説明
さて、初診から精密検査とその結果説明までの流れはほとんど娘の時と同じでした。ですので、重複にはなるかもしれませんのでご勘弁を。
初診と精密検査
娘が通院していますし、システムはある程度分かっています。
Webでも初診予約を受け付けていただけるので自分もそれで予約。
いい大人ですが、色々聞きたいということで妻も一緒に。
時間より少し早めに到着し診察を待ちます。
娘の時とは異なり、診察室にまねかれるなりすぐに検査開始。
(娘の診察時に診療のシステムなどの説明は聞いているのと、予約の際に可能なら精密検査希望を伝えてありましたので。)
- まずは口を開けて診察。
「歯茎で噛んでますね・・・。」(下顎の切歯と上顎の歯茎で食物を噛み切るという健常な方には理解不能と思われるレベル。歯が出すぎて役に立っていません。) - 写真撮影;後日見せてもらいましたが、上下しっかり口を開けての撮影。口を閉じたときの横顔なんかも撮影しました。
- あったかいガムのようなワックスを噛む。(奥歯、前歯などのかみ合わせを診るそうです。)
- 物理的な計測をして(耳の穴などを合わせて、分度器やコンパスのお化けのような器具を使います。顔のパーツや歯・あごの位置関係・角度を計測するみたいです。)
- レントゲン;(二種の装置で断層撮影??的なもの?)と、上顎「出っ歯」部の局所の撮影。
- 歯型をとる(上下);ペースト状の型取り剤を金属の容器にいれて歯列の乗っけます。数分待つと固まって、カポっと取れます。 この検査はやはり鬼門・・・幼少期の悪夢がよみがえります。下あごは良かったのですが、やはり上あごは「おえっ~!」と・・・。
実質の滞在時間は1時間ちょっとでしょうか。しかし、歯型のせいでぐったり・・・。一気に老けたような気分でした。
しかし、大の大人がオエオエしながら涙ぐんでいるみっともない姿にもかかわらず、優しく対応してくださったスタッフの皆さまには感謝です。いやあ、時代は変わったなあ・・・。
次回は、精密検査の結果説明と治療方針の説明などの予定。予約と精密検査料金をお支払いして終了。
精密検査の結果の説明
さて、前回から一週間程度で検査結果説明の日を迎えました。
子どもの時同様、治療室のPCのモニターや印刷したレントゲン写真など用いて説明していただきました。
自分でもわかっていたつもりでしたが、実際写真で客観的に見てみると
「ひどい!」
の一言に尽きます。 もうこれは、エイリアンというか昔で言うところの「怪獣」の口ですな・・・。(以下、グロ画像注意)
↑;正面からみると一見「確かに、上の歯が下の歯に重なりすぎだが、他はそんなに?」ですが、
↑;横から見ると、無惨です。明○家さ○ま さんとかは可愛いレベルです。 寝ていると口閉じません・・・ハイ。 見ての通り、前歯ではモノをかみ切ることは不可能です。(下の歯と、上の歯茎で柔らかいものは噛み切っている状態。)
画像的にも、解剖学的な数値的にも上顎全体が前にあり、かつ切歯の傾きがひどい。数値的には振り切れているレベルでした(泣)
特に上顎前歯のでっぱり度に関しては、測定値、平均値、標準偏差の値などが記されていましたので、その数字から学校のテストのように偏差値を割り出すと100をこえるというもはや宇宙人レベル・・・。
一方、左右の対称性は結構まともだとの判定を頂きました。すこし安心。
また、下顎は全体に小さくて、上の歯列は下の歯列の覆いかぶさるようになっているとのご指摘も受けました。
さて、その後は治療方針のお話が始まりました。
矯正治療期間はおそらく2年は超えそうとのこと。まあ、娘が一年くらいといわれていたので当然覚悟はしておりました。
自分の歯並びの悪さは、正直外科手術での治療も推奨なレベルらしいのです。
しかし、手術になると当然数週間の入院、全身麻酔、4-5時間のOp. ワイヤでの歯の固定(その間食事摂れず。以前、どこかの女子アナウンサーがあごの骨割れて固定されていましたが・・・。)、その後チューブで投入される流動食などびびりの自分にはとても耐えられそうにない・・・。
「上あご全体を切って後ろにずらします。・・・」と結構さらっとおっしゃいますが恐ろしい話。
また、もしこのまま治療しなかったらどのような不都合があるのかを再確認の意味でお尋ねするとやはり、
- さらに突出は悪化することが多い。(これ以上出るんかいっ!)
- 歯周病を来しやすく、老年期に抜け落ちる可能性が大とのこと。
その後は、ほぼ治療を受ける気でいましたので具体的な治療方針を聞くことになりました。まず、問題の上あご(出っ歯)。
- スペースがどうしても足りないので、左右第一小臼歯を抜歯。(前から数えて4番目の歯です。)その後、切歯四本と犬歯を後方ずらしていく。 それと同時には全体を頭のてっぺん側へも動かす必要があると。(上顎切歯が、下の歯に、かぶさりすぎている状態のため。)
- また、自分は親知らず4本のうち下2本はすでに抜歯してあったのですが、上の2本は放置しておりました。なので、もちろん、上あごの親知らず2本も抜歯いずれは必要と。
- また、上あごの切歯や犬歯を背側へ動かすアンカーとして、マイクロインプラント(後述しますが、まあちっちゃな釘というかねじ)を左右の上あごの臼歯内側あたりの歯茎に打ち込むことはほぼ必須とのこと。(そうでないと、臼歯が切歯を引き寄せる際に逆に引っ張られて前に出てしまうのだとか。あごにネジ入れますって・・・。)
- さらにさらに、可能ならば、切歯の上のあたりにも、マイクロインプラントを埋め込んだほうが良いかもとのこと(切歯を頭側へ引き上げるのに際して必要と。)・・・これ、にかっと歯茎出して笑ったら完璧フランケンシュタイン状態だな・・・。
覚悟はしていましたが、かなり大がかりで圧倒されます。以下は下顎に関しての方針。
- 抜歯は無しでいけそうだが、歯をきれいに並べるための隙間が必要。かつ、やはり下あご全体が小さいので、まずは広げる必要がありそう。
- そのために左右の奥歯(第一臼歯)に指輪のようにはめ込んで広げる器具が必要。それでも並びきらない場合には、刃の隙間のエナメル質を削ることもあるかもしれませんと。
矯正装置ですが、
- 上あご;表側、裏側矯正があるが、審美的な面というよりは、矯正のしやすさの意味で裏側からの装置がお勧め。
- 下あご;外側からの装置でもOKとのこと。
これは推奨されるようにお願いすることにしました。
治療期間は自分の場合上述の如く2年が目安。しかし、終了後放置していると、歯は元の位置に戻ろうとするとのこと。
矯正機関の二年終了後も、透明なマウスピース状の装置を付けて良い状態の歯並びを保つ必要があるそうです。(目安は治療期間と同じ2年間)・・・保定といいます。
また、歯科矯正におけるリスクや治療の限界についても書面を基に説明を聞きました。いくつかありましたが、かいつまむと
- 歯痛;動かすと痛い。
- 歯周病・齲歯;矯正装置がつくと歯磨きがしずらい。
- 口内炎・歯髄炎
- 矯正後の歯の後戻り
といった点。 それぞれ患者である自分もしっかり当事者意識をもって治療に取り掛からねばと気が引き締まります。
医療費控除の可能性などの説明も受けて、トータルの治療金額の見積もりを頂きました。
娘が治療している点や、一括払いなどでそれぞれ若干の割引を頂きました。
もう、心は決まっていましたので、結論を持ち帰ることなく
「治療受けます。よろしくお願いします。」と宣言してこの日は終了しました。
次回、再度矯正装置用に型を取る(また、オエオエ、ゲロゲロの恐怖)とのこと。予約をして医院を出ました。
後日、銀行から治療費を一括でお支払い。 結構な額でしたが、今後が楽しみです。
今も使っているブラウンの電動歯ブラシです。てっきり矯正装置装着後は使用できないと誤解しておりましたが、院長先生曰く「使えますよ。」と。
まとめ
自分が歯科治療を受ける決心と実際の初診・精密検査・結果説明の様子を記事にしていました。
幼少時の怖く・苦い思い出がありましたが、案ずるより産むがやすしです。
結果うまくいくのかどうかはわかりませんが、院長先生の話っぷりが理路整然としています。ゆっくりと目を見て、時折笑いも入れながらの説明が上手ですので、信頼して頑張っていきたいところです。
次回、また続きを(再度の苦手な型取りと、「青ゴム」装着した記事)記載してみたいと思います。
歯科矯正記事関連のもくじ(Index)記事はこちら; これまでの歯科矯正関連記事の一覧です。