はじめに
田舎の戸建て暮らしから、都会のマンション暮らしへと大きく環境が変わりました。
今回は、新居マンションの設備であるシステムバス
LIXIL ソレオ
を、十年前の戸建ての設備と比較もしつつ紹介します。
- LIXILのシステムバスの実際はどんな感じか?
- 同モデルが導入されているマンション等を考えている。
といった方々のご参考になれば幸いです。マンションデベロッパー向けは、一般カタログに載らない仕様もあるようです。
・よろしければこちらも「東京のどこに住む? まとめ Index」(記事はこちら)
LIXIL ソレオ の位置付け
LIXILのマンション向けのシステムバスのラインナップは
- スパージュ
- ソレオ
- リノビオ
- 集合住宅用ユニットバスルーム
という具合。
マンションの引き渡し後に、取り扱い説明書をもらえるのですが、その中にシステムバスの説明書もありました。それを見て、このマンションのバスがLIXILのソレオ というモデルであることが判明。
ソレオは、マンション用としては最高級というわけでもなく、廉価普及版というわけでもなく、真ん中位のグレードの製品になりそうです。
参照;LIXIL公式サイト
LIXIL東京ショール訪問の記事はこちら。
新居のシステムバスのモデルの確認方法
上述のように、取扱説明書で「SOLEO」というモデルであるこては分かりましたが、さらに品番・製造番号などを知りたい場合は、浴室ドア内側の上の角にシールを確認するようにと書いてありました。
↑;浴室扉の内側左上にこんなシールが貼ってありました。取扱説明書によると上が「管理ナンバー」、下が「品番」だそうです。
- BZWは「ソレオ」シリーズを表す。
- 続く4ケタの数字1418は浴室サイズ。
- 次の「T」は壁面のタイル仕上げ。(「L」だとLパネル仕様)
- 次の「A」は床面のタイル仕上げ。(「B」だとFRP製)
- 次の「E」はタイプ。(S,K,E,P,N,Gの六タイプがあり、装備差で差別化)
- 最期の「トク」に関しては説明はなかったのですが、カスタマイズ(特注)を示すものと思われます。
LIXIL SOLEO 取り扱い説明書より
各種オプションやカスタマイズがあるので一概には言えませんが、Eタイプは基本装備のみのシンプルなグレードのようでした。(ミラーなし。カウンターなし。)
SOLEO 「BZW-1418TAEトク」 の実際
1418のサイズ感
田舎の戸建ては1818のユニットバスでした。また、東京へ来て最初に住んだワンルームのバスのサイズは1316。
今回の新居はそういう意味ではちょうど中間ぐらいのサイズ。都内のマンションとしては標準的な大きさでしょうか。(広い物件だと、平気で1822等とか出てきますが・・・。)
自分は、身長180cm超なので浴槽に若干の不安がありましたが、結論は「大きな問題はない。」です。
寝そべるように肩までお湯に浸かったとき、ぎりぎり膝は水面に出ないレベルでした。(給湯時の水位レベル次第な面もありますが。)
↑;左は1818サイズの旧戸建ての浴室。浴槽は長さがしっかりあって寛げました。右はSOLEOの1418。浴槽の長さは浴室短辺の140cmなのでかなり短くなっています。さらに、背もたれ部の傾斜も切り立った形になるのは仕方ないところでしょうか。洗い場も当然小さいのですが、これに関しては窮屈な感じはありません。
意外と狭く感じなかった一因に高さの影響もありそうです。Eタイプの標準仕様の天井高は2000mmとなっていましたが、マンションの実物は2200mmありました。そのあたりはデベロッパー向けの特注仕様なんでしょうか。
壁の面材
約10年前のバスの壁は標準仕様の光沢ツヤありのベージュの石の柄を模したパネルタイプ。それなりに落ち着いた雰囲気で気に入っていました。
↑;旧戸建てのバスルームの壁。大判のツヤあり樹脂パネル製なので継ぎ目が少なく清掃性は高かったです。
↑;SOLEOのバスルームの壁面。マットのストーン模様のタイル張り。狙ったわけではないですが、旧宅の柄と似ています。ツヤ消しなので照明の映り込みは軽度。
SOLEOの壁面には様々なOptionがあり、当物件の仕様は
・タイルパネル前面張り仕様 マットストーンベージュ
の様です。
「タイルパネル」とは磁器質のタイルと断熱材・構造材の三層を一体化したパネル。
LIXIL 公式サイトより
見た目や触った感じの質感は、「陶磁器」と「樹脂」の中間のような印象です。おそらく触れたときの温度感からそのように感じるのだと思います。(磁器の様に冷たすぎる印象がない。)
キレイ目地と呼ばれる目地は一般的な柔らかい目地ではなくて、「ゴム」に近い感触の固めの目地でした。
40cm×60cmという比較的大判のタイルパネルではあるものの、もっと大きなパネルを採用する仕様に比べれば清掃性は落ちると思います。しかし、パネル表面はほぼ平滑でふき取りは簡単。
浴槽 形状
SOLEOでは浴槽の形状が5つから選べますが、当物件の仕様は
ラウンドライン浴槽
でした。そのほか以下のような仕様があるようです。
LIXIL公式サイトから
まあ、これは最もオーソドックスな形状かと思います。浴槽内手すりは標準では付属してきません。オプション設定になっています。
↑;これは旧宅の180サイズの浴槽。同じような形状です。 長さと背中が当たる面がなだらかなので寝そべったような形でリラックスしやすいのはこちら。浴槽内手すりは標準仕様でした。(が、手すりを使った記憶はあまりありません。)
浴槽 材質 カラー
旧宅の浴槽は、上記写真の通り白い樹脂(FRP?)。至って普通ですが清潔感ある白で特に不満はありませんでした。10年使って、若干傷はついたようですが気になるほどでもなく。
一方、SOLEOですが、同じく白は白ですが、よく見るとメタリック調でした。
↑;よく見るとキラキラと車のパールメタリック塗装のような白。粒子は小さめなので「ラメラメ感」はなく下品にはなっていないのではないかと・・。
↑;SOLEOの浴槽の材質・塗装・コーティングのバリエーション上記のようになっています。
当マンションでは、クレリアパール(キレイ浴槽;人造大理石浴槽)のホワイトのオプションが採用になっていたようです。
見た目のキラキラ感は好み次第と思いますが、「キレイ浴槽」コーティングは興味あるところです。 汚れが落ちやすい処理とのこと。
今のところ、掃除は水+スポンジだけで十分キレイです。いわゆる「シリカ汚れ」が付着しにくいし、取れやすい印象です。
しかし、その分「キレイ浴槽」は研磨剤入りの洗浄剤や硬いスポンジでのお手入れは避けるように「お手入れガイド」に記載されていました。
浴槽 排水口
旧宅はゴムの栓にチェーンが付いたタイプでした。これも特に困ることはありませんでした。 しかし、チェーンの付着部分のネジがやや弱くて、しばらく使っているとグラグラになってしまうという欠点はありました。
新居のシステムバス付属の浴槽排水栓はプッシュワンウェイ排水栓という仕様。
上から見ると、上記の写真の様に丸いメタル調の部品がみえますが、これが上下して開閉する仕組み。
↑;横から見れば開閉状態は一目瞭然ですが、真上から見ると開閉が若干分かりにくいことがあります。開けたまま給湯してしまったことも何度か・・・。
↑;操作するボタンは、浴槽の隅に設置されています。押し込むと「開」で再度押して戻すと「閉」。
プッシュワンウェイは、便利でスマートですがその代わり、故障時等は厄介な予感・・・。
↑;掃除は意外と簡単で、栓を引っ張ればフィルターを取り外し可能で、掃除可能。
床面
旧宅の浴室洗い場の床は、当時ほぼ標準になっていた「乾きやすくて、素足でもヒヤッとしない」タイプの樹脂製の床。
自分が幼いころは風呂場の床はタイル張りで、冬場は冷たすぎて素足で歩けずに、発泡性のスポンジみたいな漫画のキャラ等が描かれた「バスマット」を敷いていたのを思い出しました。
↑;旧宅の洗い場の床。 細かい溝が切ってあってかつ表面がざらっとした加工になっていて水滴になりずらく乾きやすい仕組み。当時はこれ結構画期的だなと感心した記憶があります。
↑;新居のシステムバスの床。 20cm角のサーモタイル(ライトブラウン)仕様。 旧宅のものよりなんとなく高級に見えるのは良い点。
SOLEOの床面は以下の三種。
- FRP床(キレイサーモフロア)
- FRP床(モザイクパターン)
- タイル床(サーモタイル)
今回採用されていたサーモタイルは、タイル床ながら「ヒヤッとする冷たさ」が軽減された床とのこと。
LIXIL 公式HPより
汚れ落ちなら キレイサーモフロア がベストなのかもしれません。サーモタイルはあくまで従来のタイル比で25%冷たさ軽減なので、そもそもFRP床には暖かさの面ではかなわないのかもしれません。(キレイサーモフロアとサーモタイルの比較は載せてないので分かりませんが。)
ただし、サーモタイルも実感としては昔のタイルのような冷たさを感じることなく快適です。 表面は昔の陶磁器タイルの様ツルツルではなくて、若干ザラっとした感触です。滑り止めの効果もあるのではないかと思います。
浴室ドア
旧一軒家の浴室ドアは、折れ戸で樹脂製のタイプでしたが、新居は乳白色ガラスのドアタイプ。
↑;左は旧宅10年前のドア。2つ折れの折戸で、パネルは樹脂製。 右は新居バスのドア。乳白色ガラス製。
旧宅のドアは下に横方向にスリット(通気口)がありますが、新しいドアにはありません。通気口は別の場所(ドアの左側ヒンジ部)に縦方向に存在します。このスリットは汚れが溜まりやすい場所なので、新居ドアは掃除しやすいということがメリット。
軽くて操作しやすいのは樹脂製のドア。ガラス製のドアは見た目はカッコいいですが、やや重たい。
↑;浴室ドアの乳白色のガラスの透過性。浴室内に電気をつけるとこれぐらいの光の漏れ方。浴室内の構造は全く分かりません。
透明なガラス仕様もあるようですが、当マンションで採用されていたのはこの乳白色すりガラスタイプでした。 透明ガラスは高級ホテルのシャワーブースの様でカッコいいですが、自分には少し浮世離れ過ぎているかなとは感じます。
SOLEOで選べるドアとしては以下の様に多数から選択可能。
- 開き戸(樹脂、ガラス、ドアハンドル等も選択可能)
- 引き戸(二枚タイプや木目等)
- 折れ戸
- テンパー開き戸・・・今回採用のドア
一般向け製品のカタログではテンパー開き戸のガラスは透明タイプしかないことになっていますので、乳白色ガラスはマンション向けの特注仕様の可能性があるのかもしれません。
↑;浴室内側のハンドルバーは縦向き、浴室外側のバーは横向きになっていて、タオル掛けとしても流用してます。
↑;ドア下部の浴室内側。ガラスとアルミ枠との間には樹脂製のパッキンがありません。この位置のパッキンは水垢・カビだらけになりがちな場所。見た目にもすっきりしています。
↑;一見、通気口(換気口)がないように見えるこのテンパー開き戸ですが、ヒンジ側の縦枠とドアの隙間から換気される仕組み。
LIXIL公式HPより
カビや汚れが付きにくいこれらのドアは「キレイドア」と名付けられています。
鏡
旧宅の浴室の鏡は縦長の配置でしたが、新居マンションシステムバスの鏡は横長の配置でした。
↑;鏡の横長配置には、空間を広く見せる効果があるそうです。たしかに、1418サイズ以上に広く感じるのはそのせいかもしれません。
横長ミラーでデメリットがあるとすると、立ってシャワーを浴びているときには自分の顔が見えないということです。髭剃りをするときは座ってやってます。
SOLEOシリーズの鏡には、「普通の鏡」と汚れにくいコーティングを施工された「キレイ鏡」があります。
当マンションでの採用はワイドミラー(キレイ鏡) でした。このコーティングはかなり優れものです。水滴がつきにくいので、白いシリカ汚れはほとんど付きません。汚れもも布で軽くふくだけでほとんど取れてしまいます。
「キレイ鏡」仕様にするには定価で1万円の追加が必要ですが、これはかなり有用なオプションではないかと思います。
ちなみに「キレイ鏡」用のコーティング剤も別売りしているようです。
シャワーヘッド
当物件では、この部品に関してはLIXIL純正ではなくドイツのグローエ社製の製品になっていました。
グローエ製ですが、特段機能的ではないモデル。見た目重視のチョイスの印象。
↑;グローエの「ユーフォリア モノ ハンドシャワー」。同社製の中では恐らく最もシンプル(かつおそらくもっとも安価)。スプレイパターンの変更や手元での水流のOn-Offもできないタイプ。 ただし、シャワーヘッドの径自体は大きく、デザイン的には確かにSOLEO純正のものよりもエレガントに見えます。
LIXIL公式HPより
上記は、LIXIL純正のシャワーヘッド一覧です。 好き嫌いはあるでしょうが、確かにデザイン面ではグローエ製が一枚上手に見えます。
水栓
水栓も当物件ではLIXIL純正ではなくドイツ グローエ社製が採用されていました。 LIXILのSOLEOのWebカタログ内にもグローエの水栓がラインナップされているので実質的には協力関係にあるのかもしれません。
↑;グローエ社製 グローサーモ1000 サーモスタットバス・シャワー混合栓。丸みを帯びたシンプルなデザインです。
↑;10年前の旧宅の水栓です。 この水栓も新しい水栓も、機能的には「温度調整」と「シャワー・蛇口切り替え」であり特に驚くべき新機能はありません。 ただし、レバーを回すときのなめらかさや、「コクッ」と引っかかる硬質なクリック感は新居水栓が上回っていそうです。
SOLEOで選択可能なLIXILのカタログ記載の水栓も、デザインは洗練されているのではとも思いましたが、物件の他の水廻りとの統一感等を考慮した選択なのかもしれません。
また、上記に示した「サーモ水栓」以外にも、より高機能でエコな「プッシュ水栓」等はリクシル純正ラインナップが豊富です。
くるりんポイ排水口
洗い場の排水口は「くるりんポイ排水口」と命名されていて、髪の毛などのゴミが捨てやすくなっています。これはSOLEOのどのモデルも標準装備。
浴槽の排水の勢いを利用して渦流を発生させてゴミをまとめる仕組み。
↑;排水口右奥に浴槽からの排水が出て来ます。右の樹脂製部品を介して渦流を形成。
↑;ゴミのサンプル(ビニールひもを短く切ったもの)で実験。浴槽を排水するとぐるぐると回ります。
旧宅の排水口にも髪の毛等をトラップする樹脂製フィルターは付いていましたが、髪の毛が絡みついて掃除は大変でした。 過去のフィルターと比較すると「くるりんポイ排水口」は「これはよく考えられている!!」とかなり推薦です。
実物の髪の毛をお見せするのは見苦しいので割愛しますが、浴槽の水を排水するとゴミがくるくると回って、フィルタに絡み付きにくくなっています。 ゴミの塊が浮き上がったような形になっていて取り除きやすいです。
LIXIL 公式HPより
照明
10年前の戸建ての浴室照明は白熱球でした。
↑;10年前竣工のバスルームの照明。壁面に2ヶ設置されておりカバーを外して電球を取り換えるタイプ。
↑;物件のバスルームの天井。LEDダウンライトが3ヶ配置されていました。色温度までは分かりませんが、「明るめの電球色」の印象。
SOLEOでの照明はすべてLEDです。壁面取り付けタイプやダウンライトを選択可能で、調光機能付きの選択も可能。
ダウンライトは見た目もすっきりシンプルです。明るさに関しては旧宅より断然明るい。ただし、これは壁面や床の色合いにも大きく影響を受けると思います。
LIXIL 公式HPより
オプション小物類
↑;大き目のシャンプーボトルが2個程度置けるメタルシェルフは2ヶ設置されていました。オプションです。しっかりした造りです。
↑;浴室内での洗濯物干・乾燥用のメタル調ランドリーパイプと、風呂蓋とそれを収納するメタル調三点式風呂フタフック。
↑;クロムメッキの手すり。洗い場にもう一ヶの合計2ヶ設置されていました。この手すりはSOLEOのカタログには記載されていないので他社製の組み合わせかもしれません。
ちなみに、LIXILのバスのカタログでよく出てくる「メタル」と「メタル調」はよく似ていますが、異なる材質の様です。前者は金属製(ステンレス等)で後者は金属コーティングやメッキ加工物を指すものと自分は推測しています。
カウンター
旧宅のカウンターは樹脂製で、シャンプーボトル等を置いていました。
↑;旧宅バスは、奥行が広く沢山置けるカウンター。
↑;新居マンションのSOLEOのカウンター。 浴槽の縁まで回り込む御影石っぽいカウンター面。
SOLEOのカウンターはGタイプにおいてはアッパーカウンターとして壁面と一体になったタイプが提供されています。
また、樹脂製の板状のカウンターも選べます。
恐らく当物件の仕様はカスタマイズ仕様と思われます。シャンプーボトルを並べる分には十分な幅と広さです。好き嫌い分かれるでしょうが、見た目もゴージャスな感じにはなります。
LIXIL ビジネス情報 施工事例 より
↑;LIXILのサイトで、このような集合住宅における納入事例が「特注」として紹介されていました。類似の仕様と思われます。このサイトをみていると、結構特注バージョンを色々作っているのだなということが分かりました。
まとめ
LIXILのシステムバス ソレオ(SOLEO)の新居マンション納入仕様をざっと見てみました。
さらに多機能でゴージャスなお風呂を望まれるならば、「スパージュ」シリーズが良さそうです。
しかし、シンプルですっきりした仕様を考えるならば「ソレオ」のオプションもうまく組み合わせれば落ち着いた雰囲気の浴室になるのではないかと思います。
自分の場合、「石」っぽい面材やナチュラルカラー、「クロムメッキ」で統一された水廻り製品のテイストが好みなので、結果として満足しています。
壁と床をタイル仕様にするだけで、樹脂っぽい感じが和らいでユニットバス臭さが薄れるなと感じます。
10年前と比べて機能面での派手な進化はないですが、メインテナンスのしやすさはかなりレベルアップしている印象です。
- くるりんポイ排水口
- キレイ鏡、キレイ浴槽、キレイドア
これらは、地味ですが日々の掃除が楽になる機能・装備です。毎日の入浴は勿論ですが、お手入れもラクチンなので楽しんで掃除できています。