はじめに
”ダイニングチェアーの座面の布の張り替え”を自分でやってみました。
結論から言うと 「意外とできてしまう」 です。
やろうと思ったきっかけと、その後の張り替えの様子を書いてみます。
なぜ自分で張り替えてみようとおもったのか
引っ越しに向けて、一軒家からマンション暮らしになりそうです。
「あれは持って行って、これは捨てて行って・・・。」と考えているときに、ダイニングテーブル・チェアのセット(チェア四脚)をどうしようかということになりました。
大きくはないものの、家族四人でこのテーブルと椅子を使って10年以上食事をしてきました。
木製のフレームは比較的良いつくりなのか、頑丈でテーブルもチェアもがたつきはありません。
ただ、チェアの座面のクロスが長年の酷使にて、ボロボロに。かなりみすぼらしい感じです。
妻とも、「引っ越しを機に買い替えるか。」と検討していました。
ふと、ソファーの革の張り替えの業者さんって聞いたことあるよなと思いつきました。
きっと、チェアも可能だろうとおもい検索してみました。
「椅子 張り替え」 あたりで検索してみたら、
なんと、「自分で張り替えるキット」なるものがあることが判明。
家具屋さんにお願いすると、一脚5,000円以上するところが多い中、4脚分のキットで10,000円前後以下で行けそうです。
ダメでもともとで、楽天のとあるサイトで、ポチッとしてしまいました。
この値段なら、もし失敗してそう痛手はないかと考えて決心して購入しました。
座面の布は、最も安い人工皮革で以前の色合いに一番にているであろうオレンジを選択しました。
座面の大きさをチェックし、50㎝×50㎝ 4脚分で注文。9200円でした。
キット到着
数日後、キットが到着しました。
開けると以下のようなものが入っています。↓
一番下のオレンジの布が50cm×50cm四枚分で約1m四方になります。
左上は、替え座面のスポンジ。右下の黒いものは、座面の裏を覆う不織布4枚です。
タッカー(大型ホッチキス)とその針、接着剤です。
座面のスポンジは好みに応じて、厚さや素材(ウレタン・チップウレタン)等が選べますが、自分は、一番薄いタイプを選びました。
というのも、表面の張り替えのみで、中のクッション材は可能ならばそのまま流用して作業を端折ろうと考えたからです。
↑;タッカーはそんなに立派なものではありませんが、今回の作業には十分な機能と耐久性でした。針も十分付属。
↑;取り扱い説明書です。
自前で用意する工具・道具は
- 「ハンマーか金槌」
- 「ハサミ」
- 「ラジオペンチ」
- 「千枚通し」
です。
実際の椅子の張り替え作業開始
さて、張り替える椅子ですが、こちらです。↓
表面が薄くなってはげ落ちてしまっています。その他の部分も汚れが目立ちます。
まず、座面を椅子本体から外す作業にかかります。
椅子を裏返し、(我が家の椅子の場合は三か所で)止められたネジを外します。
特に問題なく作業進みます。確かに椅子の裏には「黒い不織布」が、「ステイプラー」で固定されていることが分かります。
これで、座面を本体から外す作業は終了。座面と本体の隙間にはお見せできないほどの汚れがたまっていました。
引き続き、まずは、座面裏の黒い不織布をはがしにかかります。
↑;作業前の座面裏の状態。
↑;これは特にコツも何もなくびりびりとはがしていきます。
↑;黒の不織布をはがしきったところです。
続いて、座面のボロボロになった表面の皮革を取り外しにかかります。
この工程が、おそらく一番時間がかかります。合板に突き刺さった大量のステイプラー(ホッチキス)の芯を抜き取らなければなりません。
最初は、一個ずつラジオペンチでつかんで抜いていましたが、まったくはかどりません。
そこでマニュアルにも記載されているように、千枚通しを使ってみました。
下の写真の様に、ステイプラーの針の中心直下に千枚通しをこじ入れて、てこの原理で少し持ち上げます。
結構大きな音(メキッ!)という音がして、場合によっては針の片側がそれだけで外れることもありました。
まずひたすらこの作業を繰り返した後に、ある程度の数のステイプラーを浮き上がらせたら、ラジオペンチに持ち替えます。
浮き上がった針をつかみ、同じようにてこの原理で持ち上げると簡単に抜けていきます。
座面のウレタンスポンジは、若干汚れていましたが、十分使えそうでしたので
このまま再利用することにしました。
次は、座面に合わせて新しい布を切り取る作業にかかります。
取り外した古い布や座面を参考にして型をとってハサミを入れてゆきます。↑
↑;座面と切り取った新しい布を重ねてみます。かなり余裕をもって(数センチ以上)布を切り抜きました。
お気づきの方もいるかと思いますが、我が家のチェアーは、座面の真ん中に切れ目がはいっていて織り込まれているという作りになっています。座面も若干カーブしていました。そこで、そのカーブの凸面を埋めるために、付属していたウレタンを切り取って内部に詰め込みました。
↑;このような形で座面スポンジに切れ込みがはっており窪んでいます。
自転車のサドルのような形にウレタンを切り取りました。↑
↑;切れ込みから、切り取ったウレタンを中に入れ込みます。
この工程は、平らな座面であれば不要と思います。
カーブは消失しましたが、一般的な座面として問題なく使えそうです。
いよいよ、新しい布を座面にタッカーで張り付けていきます。
バツン、バツンと結構大きな音がします。
対角線を順番に、布を引っ張りながら打ち込んでいきます。
↓;ほぼ隙間なくタッカーを打ち込んだら、余った布を切り取ってきれいにします。
↓;裏地となる黒の不織布も型を取ってハサミで切り取り同じようにタッカーで止めます。
これで座面は完成です。
あとは、この座面を本体に再びネジで取り付ければすべて終了となります。
↑;完成図。ここまで約2時間。
新旧並べると、差は歴然です。小ぎれいになりました。
座面張替えのまとめ
自画自賛ですが、クオリティーは上々です。
若干、局面部分の「浮き」があるようにも思いますが、言われなければわからないレベルです。
作業は一脚約2時間かかましたが、残り三脚は慣れてきたこともあり、一脚あたり1-1.5時間で作業終了できました。
ただし、上述した通り、「座面のクッション材の交換」という工程を飛ばして再利用したためかなり短時間になったと思われます。
座面のクッション材の交換まで入れれば、一脚あたり2-3時間は掛かっていたかもしれません。
しかし、座面が変わるだけで見違える程の見栄えになって、とても満足しています。
さすがに、次10年後、もう一度張り替えられるかはわかりませんが、
クロスだけのダメージなら再度トライしてみてもいいかなと思った次第です。
どんどん買って、どんどん捨ててというサイクルから少しでも離れることが出来て、なんだが少し清々しい感じもしました。
是非、新居でも末永く我が家の家具としての役割を果たしていってほしいと思います。
↓;自分は、ウレタン厚み10㎜(クッションの交換をする気がなかったので)、座面500㎜各の4脚で購入しました。 クッションも交換する場合は適切な素材と厚みを選ぶ必要があります。