はじめに
引っ越しに向けて、ソファ、ダイニングテーブル・チェア等を探しています。
何度か来たことのある五反田の東京デザインセンター内の日進木工のショールームに行ってきました。
シンプルで、暖かく繊細な製品が揃っていました。
・よろしければこちらも 「インテリアショップ・家具店等 ショールーム巡り まとめーIndex」(記事はこちら)
日進木工
日進木工は、1946年創業の岐阜(飛騨)の家具メーカーです。
自社工場をもつメーカーです。
シンプルデザインに徹し、伝統と現代技術のベストミックスによる工芸的要素を貴び、
世界に通じる上質なライフスタイルの提案を継続してきました。
また自然との共生と環境配慮に考慮し、ものづくりにおいて社内・公共機関両面の強度テストや、
安全な素材(合板・塗料・接着剤等)を使用するなど、製品の安全文化の醸成に寄与しています。公式サイトより
また、文化財修復事業への参画などの、社会活動も行っているとあります。
箱根関所・門 復元工事 神奈川県箱根町の江戸口門、京口門の復元工事に2004年より3年間従事。施工図面の作成から門の製作、門の現場吊り込み取付工事まですべてを担当。
歴史や伝統に裏打ちされた、しっかりした技術が感じられます。
参照;日進木工公式サイト
日進木工 東京ショールームへ
ショールームは、五反田にあります。
五反田のTDS(東京デザインセンター)の1Fです。
TDSは、他にも輸入照明のルミナベッラ、カーテン・ラグの東リ、同じく飛騨の家具メーカーのSHIRAKAWA等、楽しいショールームが多く入居しています。
↑;JR五反田駅から本当にすぐです。電車からも見えるビルです。
↑;ショールーム1F入口です。入口は若干奥まった感じですが、ショールーム自体はかなり広い。
↑;入口入ってすぐには、日進木工のチェアが壁に並べられて展示されていました。いずれも細身ですっきりしたものが中心。
入口近くのエリアは、オーガニックなイメージでデザインされた「White Wood;ホワイトウッド」シリーズの展示がありました。
ナラ材とブラックウォールナット材のコンビネーションが特徴。以下、しばらくはこのシリーズが続きます。
↑;White woodシリーズのミドルバックチェア。手前はアームレストなしで、奥はアームレストあり。ハイバック・ミドルバックは、高さがある分空間を圧迫するというウィークポイントがありますが、人間の背中の曲線に合わせたこの背板は、座るとピタッと収まって非常に快適。 さらには、座面の位置を前後に移動することが可能で、体格の差異があっても座り心地が一定する仕組み。
↑;同じくWhite woodのハイバックチェア。これは革張りになっています。背中の板の縦じま模様は、一見溝が彫ってあるように見えます。 実はこれは、ブラックウォルナットとナラ材が交互に貼り合わせてある作り。 ハイバックではあるものの背板の幅はそんなにないのと、明るい色目と縦ストライプのデザインでそう重たくはならないかもしれません。
↑;White woodシリーズのLDテーブル。 いわゆるLD兼用のやや低めのテーブルとチェアの組み合わせです。 テーブルの真ん中の脚は一本だけウォルナットでアクセントに。
↑;White woodシリーズのLDチェア。低めの座面高です。特徴は、アームレスト部のツートンのウォルナット。手触りなめらかで、柔らかいデザイン。 この部分は「植物の種」がモチーフになっているとか。 また、アームレストはセミアームレストタイプで座った際の大腿部の自由度は高いです。
↑;White woodシリーズのX脚テーブル。 これも天板のウォルナット材のアクセントが特徴的。
↑;White woodシリーズのWOC131チェア。同じくウォルナットのアクセントがアームレスト部に。 この椅子は背中のサポート感は、前述の椅子よりも少ないものの、とにかく軽量でした。
↑;White woodシリーズのソファとリーフリビングテーブル。ソファのひじ掛け部は同じモチーフ。 木のフレームの存在感とクッションが浮いた感じ(少し足が長め)なところは好みのタイプ。
↑;White wood ソファのひじ掛け部拡大。ナラ材とウォルナット剤の接合部が良く分かります。 細かい仕事で非常になめらかにつながっています。
↑;White woodシリーズのコンソール。 玄関やリビングにそれとなく置けば上品な存在になりそう。(新居の玄関は狭くて難しろうですが・・・)
↑;NATURAL BROWNシリーズのダイニングテーブルとチェア。
「軽くて丈夫な椅子作りを基本」とするシリーズとのこと。(公式サイトから)
↑;NATURAL BROWNシリーズのダイニングチェア(アームレストなし)。 スタッフのご説明によると、「布バネ」が装着されているそうで、軽量化に貢献しているとか。
↑;Resty シリーズのダイニングテーブルとチェア。細身なのですが、濃いカラーとハイバックな作りのため、ややクラシカルかつ重厚な雰囲気に。 カラーも重要ですね。 テーブルには小さな引き出しが付いていました。
↑;「新作です」とのこと。Orbitシリーズ。シンプルな印象です。しかしチェアは軽快な分、背中を持たれかけさせると若干サポート感が弱い気が・・・。
↑;・・・というような文句を言う人のために、Orbitチェアの背板を幅広の板に変えたバージョンのチェアありますとのこと。引き換えに見た目は少し重たくなりますが、安定感がアップ。
↑;Formsシリーズのダイニングチェア。アームレストあり。かつ、背板が幅広く湾曲していて、座った時の落ち着く感じは抜群。 しかし、やはりスペック的に軽いものに比べれば1㎏以上は重量が増えてしまいます。
↑;Formsのソファとリビングテーブル。 高めの木の脚の上で、クッションが浮き上がったスタイルはいいですね。
↑;同じFormsソファを背面から。弧を描いたフレーム。 背面が美しいので、壁につけて設置するのがもったいないです。
さて、ショールームの奥に一区画だけ他の部位とはやや隔離されたエリアがあります。そこは、Nシリーズの展示スペースでした。Nシリーズは約10年前、60周年を機に発表されたハイエンドなシリーズとのこと。
↑;Nシリーズの品々。統一された落ち着いた展示に。
↑;Nシリーズの「SOLA」チェア。デザイン的にも美しいですが、技術的にも最高の物を投入したとの説明。(F1カーが、一般の自動車に技術をフィードバックするように、Nシリーズで新しい技術を投入しました。との説明でした。)。スリットの入った背板の加工は非常に難しいそうです。アームレスト部には本革が巻いてあります。
↑;これは、NシリーズのMOEBIUS ROCKING CHAIR。よく見てみると、背中のフレームから、最後アームレストの先端のフレームまでが、「一筆書き」でつながったような造形になっています。お洒落です。 黒革でなく、明るめの布地を使えば全く違う印象になりそう。
ここからはかなり気になった、「sof」 というシリーズの椅子です。
川原でみつけた手になじむ石コロのような自然のかたちを家具にしました。ゆったりとしたサイズ感と、心地よく包みこまれるやわらかな快適さが魅力です。
Sofの紹介;公式サイトから
↑;Sofのダイニングチェア。アームレストなし。このシリーズの肝は、大きく湾曲した背板だと思います。座ると背中の支えが抜群です。かつ、だらしなく少々斜めに腰掛けても、変わらずに「よっかかったまま」でいられます。
↑;カタログで探せませんでした。もしかしたらプロトタイプかもしれませんが、Sofのシリーズに見えますが。これは「セミアーム」のタイプ。
↑;最後は、どっしりとしたアームレスト付きのSofのダイニングチェア。座り心地は最高で、見た目も重厚ですが、実際かなりの重さなのが唯一弱点(スペック的には7㎏台!!)
サポート感・安定感と重量は基本的にはトレードオフの関係になってしまうということが分かりました。
↑;同じSofシリーズですが、リビング周りの展示です。ソファは、木材のフレームにクッションが浮かぶようにのっかるタイプで自分の好みのパターン。
↑;ソファのアームレストのクッションは可動式。クッションの下には、かなり厚めの木製のアームレストが出現。木の質感は最高です。
日進木工では、いわゆる木製の小物も面白いものを多数制作しています。ac-centシリーズと命名されています。
ベーシックな家具にプラスして、日常をもっと豊かに自分らしくしてくれるアイテムがアク・セント。
ac-centの紹介;公式サイトから
↑;スツールかサイドテーブルか?といった形。Shell table. 奥にスリットが入っていて、「スマホ」をセットできます。(スリットは奥に小さな穴が貫通しており、電源ケーブルなどを通せそうです。)
↑;ac-centのWOOD POT. ダストボックスにも、新聞紙や雑誌を入れる用途などにも使えそう。
↑;四本足のスツール。STEP STEP. この大きさなら玄関に置けそう。よく見ると、座面に棒が刺さっていますが、これは「靴ベラ」になっています。 この靴ベラは、振り子のようにゆらゆらと動きます。 これ欲しいなあ・・・。 四本足は、ねじ込み式になっていて、自分で簡単に組み立て可能。 ギフトとしてもよさそう。
↑;最後に、ショールームをバックにペンダントライトの写真です。これは日進木工の製品ではありませんが、木製のライト。こういう雰囲気でシーリングライトがあればいいのですが・・・。
まとめ
岐阜県の家具メーカー 日進木工の東京ショールームに行ってきました。
飛騨地方は、「脚もの」と呼ばれる椅子・テーブル等の脚付き家具の産地として有名なのだそうです。(飛騨産業、柏木工、SHIRAKAWA)
そういう目で見てみると、ソファもAVボードもきれいな脚が付いているなと分かります。
一見華奢そうに見える椅子もあるのですが、そこはしっかり設計され試験されているのか、座った際に軋んだりしなったりといった感覚は皆無でした。
以前は日本の木工メーカーというと、伝統はあってもなんだか野暮ったいとうい印象を持っていました。しかし、本邦のメーカーは木材の持つ暖かさを活かしつつも、現在の暮らしにマッチするようなシンプルでスマートなデザインの製品を作ってきているなと感じます。(というか、単に自分が歳を取っただけかもしれませんが。)