はじめに
根津美術館を再訪。
昨年見逃した 尾形光琳の国宝「燕子花図」 を鑑賞してきました。
よろしければこちらも;
根津美術館について;再掲
東京都南青山に位置する、主に日本・東洋の古美術が収蔵された美術館です。
根津家は、東武鉄道や関西の南海鉄道を興した実業家の一族とのこと。
初代 根津嘉一郎 がコレクションした美術品を中心にその他寄贈の品なども収蔵・展示されています。
参照;根津美術館公式サイト
最寄り駅は、地下鉄 表参道駅 です。A5出口が最短です。
よくよく見てみると、以前、初心者向けの座禅会でお世話になった長谷寺の敷地と接していました。お隣さん同士です。
表参道、青山霊園、青山学院大学などに囲まれた超一等地です。
多数の国宝・重要文化財が収蔵されています。
- 開館時間 午前10時から午後5時(入館は午後4時30分まで)
- 休館日 毎週月曜日(祝日の場合は翌日)
尾形光琳作 「燕子花図」の展示
尾形光琳作の「燕子花図」は、美術や歴史に疎い自分でも知っている教科書掲載級の一品。
自分の中のイメージでは「キンピカの屏風で、燕子花の藍色が鮮烈な歴史的名画」という位置づけでした。(低俗な表現ですみません。)
前回約1年前に訪問した際には、毎年4月~5月にかけての約一か月間のみ展示される期間を過ぎており、鑑賞することは出来ませんでしたが、庭園の美しさに感動。必ず再訪するぞと心に決めていました。
今回、なんとかぎりぎりでしたが時間を取って訪問することが出来ました。
特別展 光琳と乾山 芸術家兄弟・響き合う美意識
2018年4月14日(土)~5月13日(日)
入場料 一般1300円 学生1000円
尾形光琳には陶芸家の弟(緒方乾山)がいたそうで、その作品との対比・関連をテーマにした展示。
特別展 パンフレット
平日の開館直後に行きました。 天気もいまいちだったためか、あまり混雑しない時間帯に鑑賞できました。
例の如く、展示は写真撮影禁止ですので、お伝え出来ないのが残念です。
展示室入ってすぐに、まずドカンと、「燕子花図」の2枚の屏風が鎮座していました。
詳しい方にとっては今更なのでしょうが、見た感想は
- 想像通りの「燕子花の花の青さ」が濃厚で鮮烈。
- 予想外の「色の数の少なさ」・・・ほぼ花の「濃紺」と、茎・葉の「緑」だけといっていいのではと思うシンプルさ。
- その後、庭園の実物の「燕子花」と対比して感じたデフォルメ感(これは解説によると、花と茎の大きさが実物よりも誇張されて描かれているそうです。解説には「意匠化」と記されていました。)
また、大きな作品ですので、近づいて見る印象と、少し離れてみたときの印象もかなり異なると感じました。 様々な距離から何度も鑑賞。 人が少ない朝一番で本当に良かった・・・。
正直、この一作品を見に来たに等しかったのですが、他の光琳の作品や乾山の焼き物(絵付けされた角皿や、内側まで描かれたコップ(コップとは言いませんよね))等も、自分の中では興味を持った作品でした。
根津美術館の雨の庭園と本物の燕子花(カキツバタ)
さて、鑑賞が終了。
若干ピークを過ぎてしまったようでしたが、庭園の本物の燕子花も観に行きました。
当日は雨でしたが、むしろ、しとしとと降る雨で雰囲気が出ます。
↑;前回も書きましたが、結構高低差のある庭園です。 全てではないですが、車いすでも通行できるような道も整備されています。
↑;庭園を南に下っていくと池があり、その一角に目指す「カキツバタ」を発見。 周囲の新緑も美しいです。
↑;別角度の「カキツバタ」。 ピークが過ぎて、しおれてしまった花も目立ちますが・・・。
↑;あまり枯れていないところを切り取ってもこれぐらいでした・・・。
さて、野暮ですが、光琳の燕子花図と比べてみると・・・。
ショップで購入したクリアファイルから
なるほど、花はより大きく、茎・葉は短くなっています。 また花の色合いも藤色というよりは「濃紺」「群青」でしょうか。 比較すると確かに「意匠化」されているのだなあと妙に納得。
↑;庭園中に散在する石仏等。 これまた卑近な表現で申し訳ないですが、「東南アジアのリゾート」にも通じる雰囲気。
↑;苔むした屋根が良い感じ。 庭園内には4つの茶室があり、この日もその一つでお茶がいただけました。
↑;庭園内のカフェ「Nezu Cafe」で早めに昼食をとって、帰途につきました。カフェ店内から。
まとめ
根津美術館を一年ぶりに再訪。
前回見逃した、国宝「燕子花図」を鑑賞できました。
実物は迫力が違いますね。教科書で見るのとは全く違う大きさ。
「意匠化された」燕子花ですが、むしろ自分にとっては絵画の方がしっくりくるぐらいです。それだけ、日本人の潜在意識に深く入り込んだ名作なんだなと感じました。
毎年鑑賞しに来れるといいなあと思っています。